花疲れ     vol.979

日本人にとって桜は、

  特別な存在だ。

 

桜にまつわる美しい言葉には、

日本人の桜に寄せる

並々ならぬ想いが込められている。

 

気象情報でもよく使われる

「花冷え」の意味とは、

桜が咲く頃に冷え込むことだ。

 

この時期の薄くぼんやりと

曇った空模様を「花曇り」

 

桜が咲く頃の冷たい雨を

「花時雨」と呼ぶ。

 

桜の散る様子を表す言葉にも、

 味わい深いものがある。

 

散る桜を「零(こぼ)れ桜」

 

花びらを散らす雨を「桜流し」

 

花びらが乱れ散る様を「桜吹雪」

 

桜の花の盛りの頃に吹く強い風を

「花嵐」

 

散ったあとの花が散り敷く様を表す

「花莚(はなむしろ)

 

散った花びらが水面に浮かんで

漂う様を表す

「花筏(はないかだ)

 

これらは物にたとえた美しい言葉だ。

 

含蓄の深い言葉として、

 「花疲れ」がある。

 

 人手の多い花見に出かけたあとの

 疲れを意味している。

 

これは、花の美しさに酔いしれたあとの

心地よいつかれ、と味わうほうが、

桜の花に似つかわしいかもしれない。

 

 

今日一日の人生を大切に!

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