◇ 日本人にとって桜は、
特別な存在だ。
桜にまつわる美しい言葉には、
日本人の桜に寄せる
並々ならぬ想いが込められている。
気象情報でもよく使われる
「花冷え」の意味とは、
桜が咲く頃に冷え込むことだ。
この時期の薄くぼんやりと
曇った空模様を「花曇り」、
桜が咲く頃の冷たい雨を
「花時雨」と呼ぶ。
◇ 桜の散る様子を表す言葉にも、
味わい深いものがある。
散る桜を「零(こぼ)れ桜」
花びらを散らす雨を「桜流し」
花びらが乱れ散る様を「桜吹雪」
桜の花の盛りの頃に吹く強い風を
「花嵐」
散ったあとの花が散り敷く様を表す
「花莚(はなむしろ)」
散った花びらが水面に浮かんで
漂う様を表す
「花筏(はないかだ)」
これらは物にたとえた美しい言葉だ。
◇ 含蓄の深い言葉として、
「花疲れ」がある。
人手の多い花見に出かけたあとの
疲れを意味している。
これは、花の美しさに酔いしれたあとの
心地よいつかれ、と味わうほうが、
桜の花に似つかわしいかもしれない。
今日一日の人生を大切に!
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