◇ トンビたちの世代は
学校の授業では、
端的にいって
「日本は無謀な戦争をして負けた」
と教えられてきた。
そんななかで会田雄次氏の
『アーロン収容所』(中公新書)
に出会った。
◇ ビルマの英軍捕虜収容所で
強制労働の日々を送った
会田氏のすぐれた体験記である。
そこにこんなくだりがある。
◇ 私たちの将校は、
英国人中尉に対して次のように言った。
日本が戦争をおこしたのは
申しわけないことであった。
これからは仲よくしたい。
そうすると、英軍中尉は
非常にきっとした態度をとって
次ぎのように答えた。
君は奴隷か。
奴隷だったのか。
我々は、我々の祖国の行動を
正しいと思って戦った。
君たちも自分の国を正しいと
思って戦ったのだろう。
負けたらすぐ悪かったと
本当に思うほどその信念は
たよりなかったのか。
それともただ主人の命令だったから
悪いと知りつつ戦ったのか。
負けたらすぐ勝者のご機嫌をとるのか。
そういう人は奴隷であって
サムライではない。
われわれは多くの戦友を
このビルマ戦線で失った。
私はかれらが奴隷と戦って
死んだとは思いたくない。
私たちは日本のサムライたちと戦って
勝ったことを誇りとしているのだ。
◇ この日本の将校と
英軍中尉とのやりとりは、
「日本が一方的に悪い
なんてことは軽々しく言えない」と、
それまで受けてきた十数年の教育を
根底から覆した。
無謀な、間違った戦争で
あったかどうかは、
歴史が判断すること。
当時の若者たちは、祖国を信じて、
正しいと信じて戦ったのかもしれない。
本当の歴史は
人から教えられるのではなく、
自分自身で学ばなければならない。
この本をきっかけに、
このように思うようになった。
<今日の名言>
新しき計画の成就は
ただ不撓不屈の一心にあり。
さらばひたむきに、ただ思え。
気高く強く、一筋に。
中村天風
*天風の「思いが人生を形作る」という
この言葉を真に理解できる人は、
たいしたもんです。
今日一日の人生を大切に!
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