トランプ退陣で態度を変える中国 ②  vol.963

中国の新華社通信は、

  英語のツイッターで、

 

「いなくなってせいせいする、

       ドナルド・トランプ!」

 

と投稿するほど感情的になっている。

 

米国バイデン政権が、

これを喜ぶとでも思っているのだろうか。

 

もしそうだとすれば、

とんだ見当違いの「発信」と言うほかない。

 

トランプ政権も米国政権である。

 

外国から悪口を言われて、

喜ぶ後継政権はいない。

 

中国への警戒姿勢は、

前政権と変らないからだ。

 

中国は、そういうデリケートな気持ちが

わからないのだろう。

 

中国は、米国とのこじれた関係を

  立て直すため、

 

 外交担当トップを派遣して

 バイデン大統領側近らとの

 高官級会合にこぎつけ、

 

首脳会談を実現させたい考えを

持っていると言われている。

 

中国当局者はこれまで

水面下で会談を要請していたが、

 

バイデン政権の国家安全保障チームや

他の政府機関へ正式な要請を

いまだ行っていない。

 

そんな中で、中国は1月下旬、

  海警局の権限などを定めた

  海警法に署名した。

 

これによって、海警局が

「重要な海上武装部隊」

としての位置づけを明確にした。

 

尖閣諸島の周辺や南シナ海で、

中国公船の行動が先鋭化する

懸念をさらに強めている。

 

こうして、中国は自ら軍事紛争へ

発展しやすい「種」を蒔いているのである。

 

これは、中国国内向けを狙った姿勢だろうが、

軍事衝突の危険性を極めて高める。

 

日本の海上保安庁は警察組織だが、

中国はこれに武器を持たせる

という事態になった。

 

これの意味するところは、

尖閣周辺で紛争等が起きる

可能性が大である。

 

そしてここにきて、

226日アメリカ国防総省は、

 

「尖閣諸島の主権について

 日本を支持すると述べたことを訂正する」

 

 と発表した。

 

これには理解に苦しむが、

アメリカは尖閣からスンナリ手を引いて、

 

日本はアメリカから大量の兵器を

また買うことになるかもしれない。

 

バイデン大統領は、

 オバマ政権の8年間を副大統領として、

 

 それ以前の10年間ほどは

 上院外交委員長を務めた経歴を持つ。

 

バイデン大統領は、中国を相手に

どのような外交をすべきか

熟知していると見て良い。

 

中国は、オバマ米大統領時代までの

 米国であれば、「お人好し」であるから

 十分に覇権奪取への踏み台にできると見ていた。

 

それが、トランプ政権になって逆襲されて、

中国の足元がぐらついたところへ、

バイデン政権の登場である。

 

バイデン政権は、

オバマ時代の失敗に懲りている。

 

そこで、トランプ政権の欠陥を補正して

同盟国を糾合し、中国を包囲するという戦略を

明確にしたのだ。

 

トランプ政権のパンチで

よろめいている中国へ、

 

米国は欧州のほかにインド太平洋戦略で

日本・豪州・印度が隊列に加わるという、

 

新しい陣形を整え対抗姿勢を強化している。

 

米国は、一挙に欧州の三ヶ国と

アジアの三カ国の計六カ国が援軍になったのだ。

 

今後、この陣形で中国と対峙することになる。

                   完

 

 

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