分散により世界の組織は解体する ②  vol.949

◇ グローバルサプライチェーンを

  コントロールするのは、

 

   一部のグローバル企業であり、

   その他の多くの企業は下請になる。

 

素材、部品、加工、組み立て等の

部分的な工程を担うだけで、

完成品は生産できない。

 

価格決定権もなく、自らのビジネスを

コントロールすることもできない。

 

下請同士の競争により、

常にコストダウンの圧力が掛かる。

 

◇ 貧しい企業は常に貧しく、

  貧しい国は常に貧しい。

 

  巨大なビジネス全体を

  コントロールする者だけが富を得る。

 

支配者は全体をコントロールし、

被支配者は部分を担当する。

 

決して、全体を見せることはない。

 

個人にはできるだけ、

人生全体を考えさせないようにする。

 

仕事だけを考え、仕事に集中させる。

 

仕事に集中することが幸せへの道だと

信じ込ませるのである。

 

◇ 国政や外交に興味を持たせず、

 自分の利益だけを追求するように

 仕向ける。

 

 起業や独立ではなく、

 組織の一部として働くことを推奨する。

 

自分の頭で考えるのではなく、

 

マスコミの情報操作を

素直に信じることが、

独裁者の理想である。

 

同時に、

国民には自国が良い国であり、

自分は幸せだと思わせる。

 

そのために、マスコミを支配し、

情報をコントロールしなければならない。

 

◇ 国民が幸せだと思っている国は

  良い国だ。

 

    それは間違いない。

 

国民が幸せだと思う条件は、

 

一定レベル以上の文化的な生活が

保障されることだろう。

 

社会保障でもいいし、

所得の分配でもいい。

 

それさえ保障してくれれば、

一部の支配者が富を独占したとしても

誰も文句は言わない。

 

問題は、新技術の発明や進化によって、

グローバルサプライチェーン全体が

変更を余儀なくされる時である。

 

しかし、選択と集中による

グローバルサプライチェーンは、

 

最適な経済合理性を追求したがゆえに、

他の分野に転換することが困難だ。

 

ビジネス全体が機能しなくなると、

支配者階級は莫大な富を失う。

 

◇ また、被支配者である一般国民も、

 企業倒産や大量失業が発生し、

 生活の維持が困難になる。

 

こうなると、

幸せだと思うことはできず、

不満が溜まることになる。

 

もし、グローバリゼーションではなく、

サプライチェーンが地域ごとに

自立していれば、

 

富も分散し、リスクも分散する。

 

最も経済合理性の高いビジネスに

集中するのではなく、

 

生活に必要なビジネスに分散し、

利益配分もそれに見合うように設定する。

 

限りないコストダウンを

追求するのではなく、

 

生産者の生活を考慮した

利益配分を行うのである。

 

アンチグローバルとは、

単なる保守主義ではなく、

リスク回避策でもあるのだ。

 

◇ 現在は、グローバリズムが

 行き詰まっている。

 

その背景には産業の転換や

デジタル技術の進化がある。

 

そもそもインターネットの思想は

分散処理によるリスク回避である。

 

独占的な企業が市場を支配する

ツールとしては向いていない。

 

独占したければ、情報システムも

中央集権的に設計しなければ

ならないだろう。 

         つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

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