経営者としての確固たる信念 vol.811

名著『ビジネスマンの父より

      息子への30通の手紙』に、

 

 ホットドッグ・スタンドを経営する、

 ある老人の経営者のエピソードが出てくる。

 

ニューブランズウィック州にある、

その老人のおいしいホットドッグの噂は、

 

数マイル四方に知れわたっており、

経営には何の問題もないかのように見えた。

 


老人は客を戸口の前でにこやかに出迎え、

ホットドッグを勧める。


パンは焼きたて、

薬味のピクルスは歯ごたえがよく、

 

マスタードの風味は絶妙で、

玉ねぎの煮えぐあいもぴったり。

 

それを笑顔で差し出す

ウェイトレスも感じがいい。

 

そこに、ハーバード大学で

 経営学の修士号と経済学の博士号を

 取った息子が帰ってきて、こう言った。

 

なんということだ!

 

父さんにはいまがひどい景気の後退期だ

ということがわからないんですか? 

 

コストの削減が必要です! 

 

広告板の使用をやめ、

宣伝費を浮かせましょう。

 

六人の人員は二人にして

労働費用を節減しましょう。

 

父さんは道路わきで時間を無駄にしないで、

調理を受け持つのです。

 

仕入れ先には、安いパンやソーセージを

よこすように言いましょう。

 

マスタードとピクルスは安い品に変え、

玉ねぎはいっそのこと抜きましょう。

 

結果、店には閑古鳥が鳴き、

 二カ月後、帰ってきた息子に

 商売の調子はどうかと聞かれ、

 老人はこう言った。

 

おまえの言うとおりだった! 

たしかにとんでもない不景気時代だよ。

 

 

このエピソードを受けて、

  著者のキングスレイ・ウォード氏は

  こう解説する。

 

わかるだろうか、

老人は起業家だったが、

ある限界があった。

 

彼は客の求めるものがわかっていた。

 

しかしほんとうの起業家であるための

基本的な資質のなかで、

彼に欠けていたのはただひとつあった。

 

自分の信念を守る勇気だった。

 

 

長々と紹介したが、

 

 「人は威厳のありそうな

  人の意見に耳を傾ける」

 

たとえば、大学の教授とか

大手の経営コンサルタントの

アドバイスとか。

 

しかし、起業家にとって、

経営者にとって、

 

もっともやってはいけないことは、

他人に自分たちの代わりに考えさせるとだ。

 

何事をやるにしても、

しっかり自分で考え、

確固たる信念が必要だ。

 

<今日の名言>

自分がなりたいと思うような人間に、

既になった気持ちで行動せよ、

間もなく必ずそうなる。

      ジョージ・クレイン

 

*自分の夢がすでに実現したかのように、

 振舞うことが究極の夢の実現方法と

 ということになります。

 

今日一日の人生を大切に!

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