コロナ地獄により世界の覇権を狙う習近平政権 ③  vol.759

◇ いかに習近平国家主席でも、

   ここまで見通すことは

   できなかっただろう。

 

都市封鎖など強権をふるった隔離政策は

中国ならではの成果をあげたが、

 

自由世界に拡大させた コロナ地獄が、

このような展開になろうとは。

 

中国は世界のサプライチェーンを

支配する存在になっている。

 

◇ マスク一つとってみても、

  中国の生産量はもともと

  世界の半分を占めていたが、

 

新型コロナのパンデミックで、

生産量は12倍に増加、

1日あたり16,000万枚の

生産をするまでになった。

 

世界のマスク需要は飛躍的に増え、

中国産の奪い合いが起きている。

 

経済活動をストップする各国は、

中国からやってきた疫病に苦しみながら、

 

骨髄にしみ通った恨みをひた隠しにして、

中国に物資の供給を頼まざるを得なくなった。

 

◇ コロナ後の世界はどうなるのだろう。

 

今の勢いに乗って中国が

アメリカを凌駕する国になれるのか、

 

それとも、グローバル経済を支えてきた

中国中心のサプライチェーンに、

疑問を抱いているだろう先進各国が、

 

新たな製造の仕組みを構築し、

中国の野望を打ち砕くのか。

 

◇ アメリカでは3

 

「中国からサプライチェーンを守る法案」

 が提出され、

 

  中国依存からの脱却を訴えた。

 

アメリカの製薬会社は、

薬の原料生産の多くを

中国の工場に委託している。

 

例えば抗生物質などは、

中間化学品の調達を

ほとんど中国で行っている。

 

中国の化学産業のシェアは

世界の 40を占め、

 

医薬品サプライチェーンの

中心的役割を担っているが、

 

いったん今回のようなパンデミックが起き、

医薬品の争奪戦が起こると、

 

それが他国にとっては、

国家安全保障上の

重大なネックになるのである。

 

新型コロナの治療薬として

承認が待たれる日本国産の

新型インフルエンザ治療薬

「アビガン」にしても、

 

原料のマロン酸ジエチルは

中国からの輸入だ。

 

日本政府は脱中国をはかるため

補助金を出し、

 

国内化学メーカーによる

マロン酸ジエチル生産を再開させて、

アビガンの増産をはかっている。

 

◇ トランプ大統領は、

    世界の覇権をねらう習近平政権の

    頭を抑え込むため、

 

いわゆる 米中貿易戦争を仕掛けたが、

どういう因果か、

 

昔なら中国・武漢の風土病で終わるべき

新型コロナウイルスに足元をすくわれた。

 

ヒト、カネ、モノが世界を駆けめぐる

グローバル経済のもとで、

 

あっという間に広がるこの難敵の前には、

アメリカ自慢の最新鋭ハイテク兵器も

何の役にも立たない。

 

◇ だが、トランプ大統領の

 いわゆる「ディール」は侮れない。

 

中国に力づくで協力させる切り札こそが、

コロナウイルス起源にまつわる疑惑であり、

 

疑惑の調査に消極的なWHOへの

揺さぶりであろう。

 

この辺りの駆け引きは実にうまい。

 

◇ トランプ大統領は4月中旬

 

  WHOへの資金拠出を

    停止するよう指示した。

 

WHOが新型コロナウイルス対策に

基本的な義務を果たさなかった」

というのがその理由だ。

 

米国は昨年、WHOの年間予算の

15%弱に当たる 4億ドル を拠出した。

 

もちろん、WHO最大のスポンサーだ。

 

一方、中国政府は

WHOに新型コロナウイルスの

感染拡大を防ぐための資金として、

新たに3,000万ドルを寄付すると発表した。

 

それまでに表明していた2,000万ドルの

寄付と合わせて、5,000万ドル になる。

 

謀略好きの悪党が、WHOを利用し、

いい人ぶる図式だ。

 

WHOが米中両国のはざまで、

  コロナ起源疑惑にどう対処するのか。

 

形ばかりの調査で済ますわけにはいかない。

 

武漢のウイルス研究所から

新型コロナが流出した

確たる証拠なるものを米国が公開したら、

 

コロナ戦線 における中国の優位は崩れ、

 

習近平氏への謝罪要求の声が

世界中にあふれるかもしれない。

 

まさに、余談を許さない状況だ。

             完

 

 

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