◇ 今回のテーマは、
米国防総省の報告書が明らかにした
「5G通信」の実態についてである。
これを読むと、
米中関係の将来を見通すことができる。
『米中貿易戦争の裏側』遠藤誉著
にも詳しく紹介されており、
すでにご存じの方も多いかもしれない。
◇ 今年の4月、米国防総省の
「イノベーション委員会」は、
「5Gエコシステム:
国防総省に対するリスクとチャンス」
というタイトルの報告書を公開した。
これは、次世代の通信規格である
5Gをめぐる米中の攻防の実態を
詳しく調査した報告書である。
◇ 8カ月前の報告書なので、
新しいものではない。
だが、公開当初はさほど
注目されていなかったものの、
最近になって、
トランプ政権が仕掛けた
米中ハイテク戦争の
基本的なシナリオであるとして、
改めて注目されている報告書だ。
◇ 一時的に妥協した米中貿易戦争だが、
米中関係はさらにこれから悪化し、
一層鋭い対立関係になるのではないかとの
観測が強まっている。
それというのも当初は、
ハイテク覇権を狙う中国を
アメリカが抑止することが、
米トランプ政権の
基本的な狙いだとされてきた。
しかし、実はアメリカの
中国敵視策の背景には、
もっと深刻な事態があることが
次第に理解されるようになってきたからだ。
◇ その深刻な事態とは、
「中国がすでにアメリカの
深刻な安全保障上の脅威になっている」
という事実だ。
それは、南シナ海や東シナ海、
そして「一帯一路」地域における
中国の軍事的な勢力拡大のことではない。
当然それは懸念されることではある。
だがアメリカが懸念する
中国の本当の脅威とは、
アメリカの安全保障の
根幹にかかわるものなのである。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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