◇ 自営業だけではない。
中小・零細企業も同様の苦しみである。
経済不振がさらに出生率低下に
拍車をかける経済の破綻は、
合計特殊出生率を引き下げた。
◇ 次に、2010年以降の
合計特殊出生率の推移を示す。
<韓国の合計特殊出生率推移>
2010年:1.23
2011年:1.24
2012年:1.30
2013年:1.19
2014年:1.21
2015年:1.24
2016年:1.17
2017年:1.05
2018年:0.98
2019年:0.88以下(予想)
2017年以降の合計特殊出生率は、
それ以前と著しい変化が見られる。
◇ 2017年の合計特殊出生率は、
1.05 である。
この時、すでに「変調」が見られる。
これは、2016年10月から朴槿惠大統領の
弾劾裁判の動きが始まっており、
国民は先行きに不安を覚え、
「出産抑制」に動いたと見られる。
韓国では、
国民が政治不安に対して敏感である。
消費者不安心理が高まって、
個人消費抑制行動を取るのがパターンだ。
この不安心理は当然、
出産意思にも影響するであろう。
◇ 韓国は、
歴史的に中国の支配を受けて来た。
これが、政治不安に敏感に対応する
心理構造を生み出した要因と見られる。
朴大統領を弾劾することが、
国民の4割を占める保守派の人々を
不安にさせたのは当然である。
この影響がまず、2017年の
合計特殊出生率の低下に現れた。
そして、2018年以降は、
本格的な文政権による「経済政策失敗」が
拍車をかける結果になった。
◇ 文政権が続く2021年までの
合計特殊出生率は「下り坂」と
見るほかない。
その原因は、自営業破綻による
雇用構造の破壊と失業率増加である。
この2つの要因で、
合計特殊出生率の急低下は
ほぼ説明可能であろう。
◇ 韓国の中には、
以上のような低位な
合計特殊出生率と「別世界」が存在する。
公務員家庭 である。
ここでは、失業の心配はない。
確実に昇給する。
有休休暇も保障されている。
サラリーマンの天国である。
<人口1000人当りの
新生児数(2016年)>
国民 :14.5人
中央政府公務員 :32.7人
地方自治体公務員:30.7人
(資料:『朝鮮日報』2018年9月)
公務員家庭の新生児数は、
一般家庭の2倍以上である。
これが意味するのは、
韓国社会全体が、公務員家庭と
同じような生活環境を整備すれば、
出生率が上がる可能性を示唆している。
これは誰でも気付くことだ。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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