『上級国民/下級国民』
本日からシリーズで、この本を紹介する。
◇ 日本では、1947年〜49年までの
3年間の合計出生数が800万人を超え、
この大きな人口ブロックは、
「団塊の世代」を呼ばれた。
そして70年代には「企業戦士」として、
彼らが戦後の高度成長を牽引した。
その彼らの子供たちのことを
「団塊ジュニア」と呼ぶ。
◇ 平成の日本の労働市場では、
バブルがはじけたこの時期、
政府・行政に課せられた最大の責務は
「団塊の世代の生活を守ること」であった。
皮肉なことに彼らの子供たちである
「団塊ジュニア」雇用を破壊することで、
中高年(団塊の世代)の雇用が
守られてきたのである。
雇用されなかった「団塊ジュニア」は
その後どうなったかというと、
「パラサイト・シングル」につながっていく。
◇「パラサイト・シングル」とは、
学卒後も親と同居し、生活を親に
依存している未婚者のことをいう。
社会学者の山田昌弘氏が命名した。
新しい生き方としてもてはやされもしたが、
たちまち、パッシングの標的になっていった。
◇ パラサイト・シングルはフリータが多く、
「失業予備軍」であり、
90年代の半ば以降の「就職氷河期」に
「正社員になれなかったため
仕方なくフリーターをやっている」
ケースが大半であった。
◇ このパラサイト・シングルの
フリーターはやがて失業者になり、
家から出ることのない
「ひきもり」となっていく。
このように、
フリーター → パラサイトシングル
→ ひきもり → 8050問題
という現象は、
1990年代半ばを起点として
一直線につながっているのである。
ニートやひきこもりは、
中高年の雇用という既得権が
若者から仕事を奪い、
若者の働く意識が弱くなったために
起った社会現象に他ならない。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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