◇ 職場でもどこでもそうだが
絶対権力者のいる環境で、
正しいことを直言し、
かつ身を保つことは難しい。
とくに戦国末期、
町人は天下人の機嫌を損ねれば命はなかった。
◇ 秀吉の命で、千利休は切腹。
※千利休の死に様は
「利休にたずねよ」山本兼を閲読のこと。
同じく堺の山上宗二(やまのうえそうじ)は
茶の湯の上手で物知りであったが
「秀吉公にさへ、御耳にあたる事申して」
その罪に耳鼻そがれて殺害された。
◇ しかし、その秀吉に
堂々と朝鮮出兵を説き、
逆鱗に触れながら、やりすごし、
ついに生命と財産を保った男もいる。
博多商人・島井宗室である。
(博多三傑の一人)
◇ 島井は死に臨んで、
自分の処世術のすべてを
十七か条の「遺言状」に書き残し、
後継者に伝えている。
その第一条の一節。
口がましく、言葉おおき人は、
人のきらう事候。
我ためにもならぬ物に候。
島井は来世への信仰が絶対であった当時、
なんと宗教との決別さえ語る。
50歳までは「後生ねがひ候事無用」
今をきちんと生きる分別が大切といった。
そして最後の条文のこう書く。
夫婦中(なか)いかにも能(よく)候て、
両人おもいあい候て、
同前所帯をなげき、商売に心がけ、
つましく油断なきように。
二人いさかい中悪(わるく)候てハ、
何たる事にも情ハ入(いる)まじく候
◇ つまり、夫婦仲が悪いと、
ストレスがたまって何事にも
身が入らないという。
仕事の成果が上がらない人は、
もしかしたらその原因は、
ここにあるのかもしれない。
<今日の名言>
「あら楽し 思いは晴るる 身は捨つる
浮世の月に かかる雲なし」
大石内蔵助の辞世の歌
*もしダメなら、このくらい晴れ晴れとした
気持ちできれいに散りたいものだ。
今日一日の人生を大切に!
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