◇ 朝鮮日報はさらに社説でこの問題を取り上げた。
「制裁解除するなと韓国に言う米国、
今までに こんなことはあったか」と。
米韓関係が危機に陥ったことを
主軸に政権を批判した。
トランプ大統領は11月の中間選挙後に
金正恩委員長と2回目の米朝首脳会談を開き、
非核化を進めるつもりだ。
それを文在寅政権が邪魔し始めた。
◇ 韓国では
「文在寅政権が米朝の橋渡しを実現した。
ゆえに韓国はトランプ政権からも
高く評価されている」
との認識が一般的だ。
保守的な人も含めそんな妄想に浸っていたから
「同盟が危機に瀕している」などと、
夢を覚ます話をメディアは書きにくかった。
韓国人としては「属国扱い」は
もちろんうれしくない。
だが保守としては、トランプ大統領の発言に
込められた外交的危機を訴える方が
はるかに重要と考えたのだろう。
韓国人の反米ナショナリズムに
火を付けることで、
文在寅政権への批判をかわす狙いが
そこには確かにある。
ただ、左派は旗色が悪くなるばかり。
「独自制裁解除」に加え「軍事分野合意」でも、
米国が文在寅政権を叩いていることが
判明したからだ。
韓国政府は国民に対し「軍事合意」は
米国も了解していると説明してきた。
でも、それが真っ赤な嘘だったことが
露見してしまった。
そのうえ米国が烈火のごとく怒り、
ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官が
カウンターパートの康京和長官を
難詰したというのだ。
「難詰」も韓国政府は
ひた隠しにしていたが、
国政監査で康京和長官は
あっさり認めてしまった。
◇ しかし米国の相次ぐ脅しにも、
韓国は馬耳東風だ。
典型的なのが康京和長官。
韓国の外交部長官が米国との関係悪化を
公の席で認めるなんてことは
これまでなかった。
しかし「ポンペオの難詰」をあっさり認めた。
◇ 康京和長官は9月末に
ワシントン・ポスト(WP)の
インタビューを受けたが、
米朝の対立案件で完全に北側に立ち、
関係者を驚かせた。
米国は非核化に進む入口として、
北朝鮮に核施設のリストを
申告するよう求めている。
見返りは終戦宣言。
一方、北朝鮮は「リスト申告」には
一切、応じていない。
「リスト申告」を求めると、
その中身が正しいかどうかで
交渉がこう着する。
それよりもまず米国が
(終戦宣言などで)譲歩すれば、
信頼関係が生まれてうまく行く
――と言ったのだ。
これまで北朝鮮は
「先に譲歩してくれたら非核化する」
と言っては食い逃げしてきた。
康京和長官の主張に
納得するお人好しはまず、いない。
しかし長官だけではなく、大統領も堂々と
「米国ではなく、北朝鮮側に立つのが当然」
と表明するに至った。
なにが、この政権にそうさせたのだろうか。
◇ まずは国民の支持を得ているとの自信だ。
南北首脳会談をするたびに
国政への支持率は急上昇した。
もう1つは、
北朝鮮からの指示だと思われる。
2017年に制裁を強化して以降、
北朝鮮の食糧、エネルギー、外貨の不足は
日増しに厳しくなっている。
厳しい冬を目前に、
北としてはなんとしても制裁を緩めさせたい。
そこで韓国になりふり構わず
使い走りと言われようが、
スポークスマンと言われようが、
米国や国際社会を騙すよう
命じていると思われる。
長々と韓国の裏事情を述べてきたが、
隣国の事情ご理解いただけたであろうか。
文在寅政権が存続する限り
朝鮮半島の非核化は前途多難なのである。
完
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