◇ 人生100年時代。
夫婦の将来の生活を考えるなら、
どちらか一方が先立った後の暮らしも
頭に入れておきたい。
経済的な支えになるのは
やはり 公的年金制度
しかしこの制度、そう長くは続かないと
トンビは考えているが、
亡き夫の「遺族年金」を受給して
生活している人も少なくない。
遺族年金はどんな仕組みで
どれぐらいもらえるのか。
知っておけば今後の生活設計に役立つ。
◇ ご主人の年金請求の相談に
夫婦そろって来る例が増えている。
その際、遺族年金はいくらもらえるか
という質問もよく受けるようになったと
ある社会保険労務士は話す。
遺族年金は夫婦どちらかが
先に亡くなった場合、
家族の生活を保障する。
年金加入者であれば年齢に
かかわらず対象になりうる。
もらう側には 年収850万円未満
という条件があるが、
条件は緩く、ほとんどの人が該当する。
それなのに内容をよく知らなかったり
勘違いしていたり。
1人になって慌てる人も少なくない。
まず基本を押さえよう。
◇ 遺族年金は
「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」
という2つの仕組みから成る。
自営業者など国民年金の加入者が亡くなった場合、
対象となるのは遺族基礎年金だ。
もらえるのは子供がいる配偶者か子供自身。
18歳になると給付は終わる。
会社員や公務員など厚生年金の
加入者だった場合は
まず遺族厚生年金が対象となる。
配偶者は、子供の有無にかかわらず
受け取れ、再婚しない限り、一生続く。
遺族厚生は受給者数の97%を女性が占める。
夫に先立たれた妻の生活を支えている。
では遺族年金はどれぐらいもらえるのか。
◇ まず遺族基礎年金は、
年約78万円 の基本額に子の数に
応じた加算がつく。
子が1人なら22万円強を加えて 約100万円、
2人なら45万円弱を加えて 約123万円 だ。
月額にすると 8万~10万円 ほどになる。
◇ 遺族厚生年金は、亡くなった人の
老齢厚生年金(報酬比例部分)の
算定額が計算ベースとなる。
その4分の3に相当する額が給付される。
勤続年数や収入によるが、
年60万~100万円 を受け取っている妻が多い。
年金全体の4分の3をもらえると
勘違いしがちだが、
計算ベースはあくまで報酬比例部分だけ。
基礎年金部分は含まないことを確認しておこう。
◇ 40代の専業主婦が会社員の夫を亡くした場合
「中高齢寡婦加算」が文字通り加算される。
遺族厚生年金とセットで設けられている仕組みで、
40歳以上、65歳になるまで 年約58万円
が加算される。
65歳になると、今度は自分自身の年金(老齢基礎)
の受給が始まり一生続く。
金額は保険料を40年払い続けた
満額のケースで 約78万円。
遺族厚生と併せてもらう。
総務省の家計調査によると、
60歳以上で一人で暮らす人の平均支出は
月14万円強、 年間で約170万円。
年金を受け取ったうえで不足分は
貯蓄で補うというケースが一般的だろう。
順番から判断すると、
夫が先立つ場合が多いので、
妻はできる夫を長く働かせて、
へそくりをため込んでおいた方が賢明だ。
今日一日の人生を大切に!
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