◇「アメリカのハイテクブーム」が
危機に直面したら
次は パウエルFRB議長の出番だ。
パウエルFRB議長は、トランプ政権から
「金融政策への大転換」へ政策を切り替えるよう
強いプレッシャーを受けている。
トランプ大統領はしたたかな人物なので
パウエルFRBが金融緩和政策へと
大転換せざるを得ないように、
「ツイッター砲」でトルコを追い詰めて、
パウエルFRB議長をも追い詰めているのだと思う。
いや、もしかすると、
トランプ大統領とパウエルFRB議長は
もうすでに「示し合わせている」かもしれない。
中国との経済覇権をめぐる戦いに
アメリカが勝利するまでは、
「アメリカ経済のリセッション入り」は
何が何でも回避する必要がある。
アメリカ株式ブームは、
中国経済が減速までは、
減速するわけにはいかない。
◇そのためには、パウエルFRBには
イエレン前FRB議長から踏襲した
金融引き締め路線を大転換させる必要がある。
だが、一私企業であるテスラ救済のためだけに、
FRBが 『金融緩和策へと大転換』
するというのでは、
FRBの金融政策の正当性は証明しにくい。
テスラ救済のための金融緩和への大転換を
正当化するのために必要な材料が、
「新興国の通貨危機」であった可能性がある。
しかし、いままで新興国で
通貨危機は起きなかった。
そこでトランプ大統領は、
最も経常赤字が大きくて
最も外貨準備が少なく、
しかも経済運営が支離滅裂なトルコを
あえて「攻撃の対象」にしたのかもしれない。
「攻撃の対象」は、ブラジルでも
メキシコでも良かったはずだが、
それでは「ショック」は起きそうにない。
8月のトルコだったら
危機のようなものは起きるかもしれない。
そこで、
トランプは「ツイッター砲」で
最も弱い国に照準を合わせ攻撃を開始した。
◇ テスラ救済のために、
FRBが金融緩和に大きく舵を
きることはできない。
しかし、新興国の混乱やユーロ圏の
混乱を収拾するための金融緩和ならば、
FRBは「金融緩和の正当性」を主張できる。
まずは、8月24日のジャクソンホールでの
パウエルFRB議長の講演が待たれる。
パウエルFRB議長は、テスラ経営難で
ハイテクブームの混乱が続くならば、
9月の利上げも12月の利上げも
見送ることになるかもしれない。
それまでは、世界市場の
調整局面はなかなか収まらないだろう。
マーケットは乱高下を続けるのではなかろうか。
2018年8月の世界市場では、
次の壊滅的なバブル形成への
「役者」 が揃った。
それは
「トルコ通貨危機」
と
「テスラの経営危機」 だ。
まさしく 歴史は繰り返す のである。
完
今日一日の人生を大切に!
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