◇ 先月ビックリするニュースが入ってきた。
日銀が発表する個人保有の投資信託の残高が、
計算の誤りで何と 30兆円以上 も
過大計上されていたというものだ。
日銀資金循環統計の数値が遡って訂正され、
2017年12月末の家計の投信保有額は、
109兆1000億円 ではなく、
約33兆円少ない 76兆4000億円 になった。
個人金融資産に占める投信の割合は、
改定前は2012年の 3.8% から
2017年の 5.8% まで上昇していることに
なっていたが、実際は 4.1% まで下落。
貯蓄から投資へ日本人のお金の流れが
変わっていると思われていたのに、
実体は逆だったという衝撃の事実だ。
◇ また、データが修正された訳ではないが、
物価に関しても、そもそも消費者物価指数が
インフレの実体を反映しているデータなのかに
疑問がある。
例えば、日本経済新聞の記事によれば、
高級ハンバーガーのシェイクシャックは
4月に30円値上げしてハンバーガー単品でも
1,000円を超えている。
ところが、統計上のハンバーガー価格は
大手チェーン店の169円のまま。
*ニューヨーク5番街で食べたシェイクシャンクの
ハンバーガーは、本当に美味しかったが、
トンビは日本ではまだ食べたことがない。
あるいは、昨年無印良品が3万2千円で発売した
コーヒーメーカーも記録的に売れたようだが、
その価格は物価データには反映されていない。
最近は東京の高級レストランの
単価が値上がりしている。
以前は銀座でも3万円出せば高級な和食を
食べることができたが、今は4万を超える。
和牛のような高級食材の市場価格は、
5年で5割ほど値上がりしたそうだが、
これもデータには反映していない。
またパソコンや携帯の機能の進化は、
価格にどのように反映させれば良いのか。
これも難しい問題だ。
同じ価格で高機能になっていれば、
価格が下落していると捉えるべきだ。
◇ 果たして物価というのは
正しく計測できるのか?
そんな根本的な疑問が湧いてくる。
統計上は日本国内ではインフレが
起こっていないとされているが、
もしかしたら密かに物価が上昇し、
政府の思惑どおりお金の価値が
下がっているかもしれない。
統計データはファンダメンタルズの
分析に大切な情報だが、
それだけを鵜呑みにすると足元をすくわれる。
統計関する基本的な知識を習得するとともに、
定量的なデータと定性的なデータを融合させて
総合的に判断できる術を各人が身につけ、
政府に騙されないようにしなければならない。
今日一日の人生を大切に!
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