トランプ大統領の「DEAL」からも外された日本 vol.279

 

◇ 北朝鮮は5月16日に開催予定だった

     南北閣僚級会談を土壇場でキャンセルした。

 

米トランプ政権はこれまで、

無条件で即時の核放棄である「リビア方式」での

北朝鮮非核化を実現させようとしてきた。

 

しかし、急きょ路線を変更し、

トランプ大統領は、米朝首脳会談の中止も

ちらつかせる北朝鮮に対し、

 

① 金正恩体制を保証すること

② リビア方式を適用しないこと

 

  を明言した。

 

とはいえ、リビアのカダフィ政権が、

米国の支援する反カダフィ派に潰され、

処刑された歴史がある。

 

そのことから北朝鮮金正恩政権は、

いくら現体制を保証すると約束されても、

言葉通りに受け取ることはできない。

 

◇ 一方、米国と中国は、双方に打撃となる

   貿易戦争を回避する意思を示唆した。

 

トランプ大統領は米政府の制裁で苦境に立った

中国の通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)を巡り

救済策を模索する意向を明らかにし、

中国側は劉鶴副首相の訪米を決めた。

 

◇ このような一連のやり取りを見ていると、

 

    トランプ大統領のやり方は、

    まさに「DEAL」だと思う。

 

出合い頭に大きく吹っ掛けておいて、

相手の反応を見ながら譲歩、

 

落としどころを探っていくというものだ。

 

その意味では、中国との貿易戦争は、

落としどころを探る段階に入ったと思われる。

 

例えば、北朝鮮とのやり取りでも、

核全廃の保証として、核開発に携わった

数千人規模の研究者・技術者の海外移住を

要求している。

 

一方で全廃された暁には、

政府援助こそ示していないが、

経済制裁の解除、

米企業の投資拡大を約束している。

 

ここで、数千人規模の

研究者・技術者の海外移住要求は、

 

    吹っ掛けだ。

 

トンビの見る限りのトランプ政権は、

少なからずの米企業にありがちな、

 

まずは最大規模の要求を突き付けておいて、

後に現実的な所で決着する。

 

まさに「DEAL」である。

 

つまり、極端な形でアメとムチを提示し、

中間点のより自分の有利な位置で

決着をつけようとするように思える。

 

◇ またたトランプ大統領は、

「北朝鮮を非核化する」ではなく

「半島全てを非核化する」と語った。

 

このことは、米韓同盟を廃棄し、

在韓米軍の引き上げを示唆する。

 

これは、在日米軍を強化すれば

実現できることだ。

 

横須賀は首都がある東京湾の

出口に位置するため、

戦前は日本海軍の拠点だったが、

今は米軍が駐在している。

 

首都にある横田基地には、

オスプレイが配備された。

 

南北が統一されるなら、

在韓米軍を日本に移動させても

守備面も考慮すればむしろ強化できる。

 

◇ しかしながら、トランプ大統領は、

    6月12日に予定していた米朝首脳会談を

    時期尚早と判断して中止を表明。

 

   この先どうなるのか、いまのところまったく

 わからないが、成り行きしだいでは、

    朝鮮半島情勢は再び緊迫する恐れがある。

 

 

 こうした一連のすべてのことが、

 トランプと習近平、金正恩の話し合いだけで、

   決められようとしているように

   トンビには見える。

 

日本は、このような「DEAL」からも外され、

 

トランプ社の下請け企業のような

存在に成り下がり、

 

肝心な話し合いには加われない。

 

加わる時は、日本の負担分、

つまり金の話のときだけである。

 

日本政府は、大企業の下請けから脱し、

独自の力で世界中を顧客とした中小企業の

生き方を学ぶ必要がありそうだ。

 

 

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