赤い糸を切られた猿になる  vol.212

 

 赤い糸 夫居ぬ間にそっと切る

               「シルバー川柳」入選作

 

◇ 熟年世代の離婚が増えている。

 

    トンビの知人にも、

    息子さんが大学を卒業する

 その卒業式の朝、晴天の霹靂そのままに

    奥さんから離婚を申し渡された人がいた。

 

子供たちが大学を卒業するまでは

世間体もあるし、

 

就職にも もしかしたら影響するかも

しれないという配慮かもしれない。

 

年金の制度が改まり、

離婚した女性が以前ほどは経済的に

困らなくなったことが増加の一因らしい・・・・

 

 本当に「赤い糸」が切れやすいご時世だ。

 

あなたも今日は家に帰って、

恐る恐るこの「赤い糸」

たぐり寄せてみてほしい。 

 

また、

すでに切られていると自覚のある人は、

その糸のかけらすらないだろう。

 

あとはどのタイミングで

「あの紙」がでてくるか、ということになる。

 

◇ では次に「強烈な一句」というか

 「強烈な一撃」をどうぞ。

 

   ネクタイを上手に締める猿を飼う 

                                    森中恵美子

 

「赤い糸」をそっと切ったのは遠い昔、

もはや   その次元ではなく

 

 「人間であって人間にあらず」

 

猿同様の扱いを受けている方が

ここに一匹おられる。

 

ダメ男を罵られても、

 

ボンクラ亭主とさげすまれても、

 

人類の一員として扱われているあいだは、

 

まだまだマシということである。

 

ある酒宴の席でこの一句を話題にしたところ、

 

2文字を替える と次ぎのようになると、

 

教養講座の愛読者である

ある男がトンビに言った。 

 

 

クタイを上手にメル猿ですな」

 

「同じ飼われるなら、

           そっちの猿になりたい!」

 

教養のある方は、

やはりおっしゃることが違う。

 

教養が滲み出ている。

 

今日はこのあたりで失礼することにする。

 

<今日の名言>

 触らぬカミさんにたたりあり  

                             トンビ博士

 

今日一日の人生を大切に!

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