三浦梅園(みうらばいえん )   vol.770

 

理屈と道理のへだたりあり

理屈はよきものにあらず

 

思想家にも富士の如く

  ただ一人そびえたつ者がいる。

 

 三浦梅園は日本人のほとんどが

 迷信や陰陽五行説にとらわれていたとき、

 

西洋近代の科学・哲学に

ひけをとらない思考を、

大分の寒村で繰り返していた。

 

奇跡のような人物である。

 

幼時から ただ者ではなかった。

 

「栴檀は双葉より芳し」

 

という言葉は彼のためにある。

 

彼は思考が極めて論理的であった。

 

家に近江八景の屏風があり、

夜雨の情景が描かれているのを見て、

 

「暗黒の夜、こんなに雨は見えない。

風情としてはいいが風景としては不可だ」

 

といった。 

 

これが八歳のとき !

 

彼は人々が当たり前と思っていることに

決してだまされない子だった。

 

寝食を忘れて、

天地宇宙のしくみを考え続けた。

 

「石を手にもちて手を放せば

  地に落ちるは、いかなる故ぞ」と問えば、

 

 普通の人間は,

 

「重きによりて落ちる也。知れたる事」

 

と思考が停止する。

 

しかし彼は徹底して疑い、

重力・引力の存在まで思いが及んだ。

 

ついには西洋の天文学を学び、

彼は江戸中期の日本で宇宙と世界を

最も理解した人物になっていた。

 

彼は人間が作った理屈と

  自然の道理は違うといった。

 

「親が羊を盗み、その子に、

 たとえ親でも悪は悪、訴えろ」

 

というのは、 理屈

 

「親の悪事を子が隠したがる」

のは、  道理  

 

両者はまったく違う!

 

梅園は人間の作った理屈にとらわれない

道理の探求を重視した。

 

この国の思想を大きく

合理主義の方向にもっていった。

 

コンプライアンは理屈、

 

道理の探求こそ

重視すべきではなかろうか。

 

<今日の名言>

平凡の教師は言って聞かせる。

良い教師は説明する。

優秀な教師はやってみせる。

しかし最高の教師は子どもの心に火をつける

    ウイリアム・ウオード(教育学者)

 

*これは企業でも当てはまる。

 優秀な人材が育つ会社というのは、

 やはり心に火をつけるリーダーがいて、

 社員の積極性を重んじる社風がある。

 結局人を動かすためには、

 本人のやる気を引き出すことがベストなのだ。

 

 

今日一日の人生を大切に!

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください