理屈と道理のへだたりあり
理屈はよきものにあらず
◇ 思想家にも富士の如く
ただ一人そびえたつ者がいる。
三浦梅園は日本人のほとんどが
迷信や陰陽五行説にとらわれていたとき、
西洋近代の科学・哲学に
ひけをとらない思考を、
大分の寒村で繰り返していた。
奇跡のような人物である。
◇ 幼時から ただ者ではなかった。
「栴檀は双葉より芳し」
という言葉は彼のためにある。
彼は思考が極めて論理的であった。
家に近江八景の屏風があり、
夜雨の情景が描かれているのを見て、
「暗黒の夜、こんなに雨は見えない。
風情としてはいいが風景としては不可だ」
といった。
これが八歳のとき !
彼は人々が当たり前と思っていることに
決してだまされない子だった。
寝食を忘れて、
天地宇宙のしくみを考え続けた。
◇ 「石を手にもちて手を放せば
地に落ちるは、いかなる故ぞ」と問えば、
普通の人間は,
「重きによりて落ちる也。知れたる事」
と思考が停止する。
しかし彼は徹底して疑い、
重力・引力の存在まで思いが及んだ。
ついには西洋の天文学を学び、
彼は江戸中期の日本で宇宙と世界を
最も理解した人物になっていた。
◇ 彼は人間が作った理屈と
自然の道理は違うといった。
「親が羊を盗み、その子に、
たとえ親でも悪は悪、訴えろ」
というのは、 理屈
「親の悪事を子が隠したがる」
のは、 道理
両者はまったく違う!
梅園は人間の作った理屈にとらわれない
道理の探求を重視した。
この国の思想を大きく
合理主義の方向にもっていった。
コンプライアンは理屈、
道理の探求こそ
重視すべきではなかろうか。
<今日の名言>
平凡の教師は言って聞かせる。
良い教師は説明する。
優秀な教師はやってみせる。
しかし最高の教師は子どもの心に火をつける
ウイリアム・ウオード(教育学者)
*これは企業でも当てはまる。
優秀な人材が育つ会社というのは、
やはり心に火をつけるリーダーがいて、
社員の積極性を重んじる社風がある。
結局人を動かすためには、
本人のやる気を引き出すことがベストなのだ。
今日一日の人生を大切に!
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