「ふるさと納税」は地方創生どころか地方をダメにする ① vol.475

 

◇ ふるさと納税」制度を取り巻く状況が

     大きく変わっている。

 

 「一定範囲であれば、寄付金は税控除」

                    かつ

    「返礼品をもらえる」  という

 

納税者がほぼ損をしない仕組みは、

 

2017年度で 総額3653億円 という

カネの争奪戦を生んだ。

 

◇ 税収が流出する「都市部」vs「地方」

 

  行き過ぎた返礼品を批判する

「総務省」vs「地方」の論戦から、

 

さらには「地方vs地方」で批判の応酬が

交わされる事態にまで発展している地方創生。

 

◇ これがふるさと納税の大義名分だ。

 

    域外居住者などから寄付金が

    集まるのだから、

 

財政の悪化する自治体にとっては

渡りに船だろう。

 

だが、見落とされがちだが、

地方活性化の効能はそれだけではない。

 

◇ 多くの場合、

    自治体は返礼品を寄付者に発送する。

 

その返礼品の製造や発送を担うのは、

これもやはり多くの場合、

寄付を受けた自治体の業者だ。

 

寄付金に対する返礼品の価格を

3割以内とせよというのが

総務省の方針なので、

 

仮にこれを全自治体が

厳密に守ったとすると、

 

2017年度をベースに計算して

1000億円近い「発注」が、

 

自治体から主に地場業者に

なされたことになる。

 

実際には3割の指針は守られていないし、

 

2018年度のふるさと納税総額は

2017年度のそれを上回る可能性が高いので、

 

これ以上の発注があったと考えてよいだろう。

 

◇ 地場業者の業績が好転すれば、

    その下請けなどへも波及効果が発生する。

 

税収の向上も見込めるかもしれない。

 

九州地方のある製造業者は、

 

「ふるさと納税のインパクトはすごい。

   返礼品に指定されてから

   売り上げが2倍になった」

 

という。

 

寄付金が集まって地場産業も潤うとは

「いいことずくめ」のように見えるが、

 

本当にそうなのか !

 

上記業者はこう続ける。

 

「宣伝は市がやってくれるので、

   発注に応えて作ればいいだけ

   だが手が回らない。

   生産設備の増強を検討している」

 

実はこの“他人任せ”に危機が潜んでいる。

                                          つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

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