◇ NTT持ち株会社は、昨年
国内通信への依存から脱却して
グローバル事業を強化する考えを示した。
この事業を進める上で
鍵を握るのは優秀な人材だが、
その人材が米グーグルなどIT(情報技術)大手、
いわゆる「GAFA」に引き抜かれている
現状に危機感を示し、
待遇改善で対抗するという方針を
NTTは打ち出した。
◇ NTTは研究開発の人材として毎年、
60人ほどの新卒を採用している。
ただ、若い世代の研究者は年々、
グーグルのほかアップル、
フェイスブック、アマゾンなど
世界の企業との奪い合いが激しくなっている。
海外IT企業は、新卒でも優秀であれば
年収数千万円で採用するといわれ、
獲得競争が過熱しているのである。
AIの技術はここ数年で急速に発展し、
最先端の動向を知る研究者は少ない。
一方で、デジタル化を進める
多くの企業にとって研究者は
事業変革の鍵となっており、
企業向けサービスを強化したい
NTTにおいても人材確保が
喫緊の課題となっている。
◇ そこでNTTは人材の引き留め策として、
研究に特化したプロ人材に
高額の報酬を与えられるよう、
19年度に賃金制度を改革すると明言した。
同社の研究開発職の初任給は大卒が
21万5060円
修士課程修了で
23万7870円 となっている。
◇ これはGAFAへの人材流出の
一つのケースにすぎない。
単なる給与面の話ではなく、
働く環境、ビジネスモデル、
労働法、雇用習慣、政治などなど、
背景を考えれば複雑だ。
◇ とりあえずまず
やらなければならないことは、
総合職的に一気に囲い込むのをやめて、
「なぜ、この職務が存在しているのか?」を
雇う段階から検討すべきだと思う。
大手なら人は集まるだろうが、
このままでは、この流れを変えることは
できないのではなかろうか。
優秀な人材は、企業に固執しない。
やりたいことに固執する。
要は、働く場所は世界中に
いろいろあるということだ。
◇ 人が転職するのは、
企業に対する裏切り行為ではない。
これは人間として自然な動きだし、
まったく違う環境で、
経験値を上げることができる
絶好のチャンスだと思う。
未来が見える環境に行くのはに正しい選択だ。
日本の企業からGAFAに
転職するという背景は複雑だが、
メスを入れるとすれば、
対処療法ではなく根底の部位を特定し、
対処することが必要だと思われる。
このままだと、
優秀な人材はすべて外資に
もっていかれることになりかねない。
今日一日の人生を大切に!
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