◇ 「エモーション・ド・テロワール」
というフランス産ワインがある。
講演会でお客さまには、
このワインの写真を見ていただき、
そこには商品名と価格(3800円)が
示されている。
そして、
「今、このワインが飲みたい人は
どれくらいいらっしゃいますか」と尋ねると、
会場に5,6百人いても、
手を上げるひとは一人か二人ぐらいだ。
では、伝える情報を変えてみることにする。
「このワインはシャンベルタン、
ロマネ、シャンポール、マルサネ
という4種類のブドウを使用しています。」
これでも飲みたくなるかというと、
やはりならない。
ではどんな働きかけをすれば
売れるかというと、
「今、フランスのワイン界で、
天才と呼ばれるワイン醸造家がいます。
それはヴァサン・ジラルダンさんです。
有名なワイン評論家ロバート・M・パーカーJr.も
彼のワインを見つけたら
走って買いに行けといっています。
そんな彼がフランス政府に
逆らって世に送りだしたワインがあります。
それが、このワインです。」
ここまで説明すると、
6割ぐらいの方が挙手してくれる
ようになる。
◇ ここで重要なのは、
人はどのようにして価値を認識するかだ。
「3800円のフランスワインで、
赤のフルボディです」と言っても、
飲みたくはならない。
つまりお客さんのなかには、
価値は生まれないのだ。
「フランス政府に逆らってうんぬん」
を加えることによって
「買いたい!」
のスイッチが押される。
人間の価値認識は、
脳内に先ほどの言葉が入ってから起こる。
となれば、
商品の持つ価値は、お客さんに伝わらない限り
価値とは言えないということになる。
お客さんの頭の中で価値が生まれる
運命の瞬間を左右するのは、
お客さんの脳にどんな情報が
入力されたかで決まる。
つづく
<今日の名言>
青年時代は知恵をみがく時であり、
老年はそれを実践する時である。
ルソー
*さあ、今からが実践です。
しかしここで大事なことは、
今までに何を学んできたかどうか
ということになります。
今日一日の人生を大切に!
コメントを残す