コンビニ改革のキーワードは「引き算」   vol.197

 

◇ コンビニのキャッシュレジスターには、

    来店したお客の年齢を入力する

   年齢キーが付いているのはご存知でしょうか?

 

レジ装置をこっそり観察してみると、

年齢キーは5段階に分かれており、

「50」は最下段にあります。

 

小学生以下を意味するのであろう「12」や、

29歳以下が該当するとみられる「29」キーは、

値段を打ち込むテンキーから、わずかながら手を

移動させなくてはならない位置にある。

 

ファミリーマートは今年2月までに、

年齢キーを廃止するそうです。
   (東京都内のファミマ店舗)

 

しかし、これではコンビニ各社は

お客の属性情報を正しく取得できません。

 

そこで

 

「ポイントカードの提示を

        お願いしているんです」

  (あるコンビニの本部社員)

 

そういえば、

 

「Tポイントカードお持ちではないですか」

 

と尋ねられますね。

 

なるほど、言われてみれば当然のことです。

 

であればなおさら、年齢キーの押下は

無駄な作業ということになります。

 

◇ファミマは今年夏から2018年2月にかけて、

    レジシステムの刷新を予定しています。

   対象は国内1万8000を超える全店舗。

 

   投資は100億円規模にのぼるそうです。

 

どんな最先端の機能が盛り込まれるのか

と思いきや、刷新にあたっての

キーワードは 「引き算」

 

本当に必要な機能が何なのかを改めて精査し、

年齢キーも無用の長物として

実装しないことにしたみたいです。

 

年齢キーの廃止は、セブン-イレブンや

ローソンに先駆けた動きとなることでしょう。

 

◇ ファミマ流の「引き算」は、

 レジシステムにとどまりません。

 

店頭の販促物も削減の対象になります。

 

陳列棚に取り付けるタグや、店頭に掲げるのぼり。

 

ファミマでは1週間当たり約200項目にのぼる

新規の販促物をお店で展開しているそうです。

 

付け替え作業は深夜勤務のスタッフが

担うことが多く、なかには脚立を使っての

作業など危険を伴うものもあるといいます。

 

そこでファミマは7月以降、

販促物がどれだけの効果をあげているかの

調査を実施。

 

そしてこれを「年度内に半減させる」

 

公共料金の収納代行も、

加盟店にとって悩みの種だった業務だそうです。

 

お客からお金を預かるとなれば、

本人確認等を含め、

金融機関並みの重い責任を伴います。

 

従来は店員がバックヤードで

伝票とつきあわせて確認することも多かったが、

今後は店舗ATMを有効活用して

金額をカウントする方法も検討しているそうです。

 

◇ コンビニ業界では、人手不足がいま

    深刻な問題になっています。

 

年中無休で24時間開いていて、

いつも真新しい商品が入荷され、

幅広いサービスも受けられる。

 

消費者にとっては便利このうえない

存在といえるコンビニ。

その利便性を支えているのは、

もちろん店舗スタッフです。

煩雑な作業を嫌って店舗スタッフが

集まらなくなれば、社会インフラとも

称されるコンビニは早晩立ち行かなくなる。

 

セブンイレブンを筆頭に、

日本人の生活スタイルの変化に

対応した商品を続々と開発し、

全国津々浦々に店舗を

張り巡らせてきたコンビニ業界。

 

これまで

「もっと新しい商品やサービス」

「もっと身近な店舗」 などと

足し算の論理で成長を続けてきました。

 

もちろん、社会の変化を汲み取って

新しい価値を提供する力は、

今後もコンビニ各社の競争力の

源泉となるでしょう。

 

引き算でお店の働きがいを高め、

いずれブランドとしての成長にまでつなげる。

 

ファミマの取り組みは、誕生から40年を超え

限界論もささやかれるコンビニ業界に

一石を投じることになるかもしれません。

 

今日一日の人生を大切に!

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