江戸時代の天才人相占い師 「水野南北」 vol.65

◇ 「人は見かけによらぬもの」というが、

      前近代の社会では、人を判断するのに、

      いま以上に見かけが重んじられた。

 

      とくに人相が大切であり、

      江戸時代には人を選ぶにあたり、

     この人は福相だとか貧相だとか、

     迷信みたいなことを大変気にした。

 

◇ 庶民だけでなく、忍者もそうであったらしい。

 

     忍者は、まず人の姿勢や物腰、

     声の調子や顔色をみるという。

 

    声が通るのは、人として よいらしい。

 

          額が広いのもいい。

 

    目については、今と考えが違う。

 

    ばっちしとした目よりも

    細長い奥目が「奇人の相」

 

    眉尻が大いに垂れているのは

    夫婦が離婚する相だと、忍者は書いている。

 

    この人相術は、人相学を確立した

    “水野南北”  の影響が強い。

 

◇ 江戸時代、”水野南北”  という

   人相占いの天才がいた。

 

    南北の占いは、百発百中!

 

 人の運命をピタリと言い当てたという。

 

◇  南北は大阪生まれ。

 

    幼くしてみなしごとなり、

    叔父に引き取られたが、そこを飛び出し、

    若い頃は無頼(ぶらい)の徒。

 

    酒飲む金欲しさに、盗みをはたらき、

    とうとう牢屋に入れられた。

 

    ところが、これがよかった。

 

   南北は牢獄の中で、

   たくさんの罪人の顔を見ているうちに、

   人相占師になることを思いつく。

 

    彼の研究は徹底していた。

 

   いろんな人の顔をじっと見るために、

  まず三年間、床屋で髪結いの弟子をやった。

 

  そのうち顔だけでなく、

  人の体つきも見たくなり、

  今度は銭湯の三助になって、

  三年間、人の裸を観察した。

 

  さらに人の骨もみたくなって、

  火葬場に三年勤めた。

 

  火葬場では、骨になった人の

  親類縁者も丸ごと観察できる。

 

    これが大変勉強になった。

 

   こうして南北は、独自の人相学

 「南北相法」を打ち立てた。

 

◇ 夫婦の力関係は

    目尻のところで見るらしい。

 

  すなわち、目尻が上がった

  キツネ目男は亭主関白であり、

  目尻の下がったタレ目男は

  恐妻家であるという。

 

◇ また南北は食事にも興味を持ち、

  「節食開運説」を唱えた。

 

   食事の量や質が、人の運勢や寿命を

  左右するという。

 

  常に美食をして、十分な食事をすると

  悪相になり、凶運短命

 

  逆に、悪相、凶運の人でも、

  口にするモノを節し、

  腹八分にする人は、良運となる。

 

◇ 面白いのはハゲ頭についての

   記述である。

 

  世間では、「このハゲー ! 」 

 いう言葉が最近話題となっている。

 

  しかし 南北の人相学では、

  ハゲは必ずしも悪いことではない。

 

    ハゲは強運である。

 

逆に

「年よりて髪あつく、額 はげざるものは、

  年とるほど、運悪くなるべし」

 

 ハゲない人は、年をとるとともに

 運がわるくなる といっている。

 

ハゲは誠に喜ばしいことなのである。

 

*今日一日の人生を大切に!

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