◇ 人間の可能性の限界に挑んだ
冒険家・植村直己
世界で最も勇敢な
スポーツマンに送られる
「バラー・イン・スポーツ賞」を受賞した。
2 9歳で世界初の
5大陸最高峰登頂者となった。
◇ 植村直己が挑んだ冒険は
高校時代から始まる。
植村直己は高校の池で飼われていた
コイをこっそりつかまえて、
教室のストープで焼いて食べた。
しかも池にいた6匹のコイすべて。
◇ 1 9 7 4年、33歳で
グリーンランドからアラスカまで、
北極圏1万2000キロを犬ゾリで
横断することに挑戦。
犬ゾリのリーダ犬は、
引き綱が2メートルほど長く、
ほかの犬たちを引きながら走るのが
役目である。
◇ 植村直己は最初、
ケンカに強い犬をリーダー犬にしたが、
他の犬たちが言うことを
聞いてくれなかった。
いろいろとリーダーを変えてみても
結果は同じであった。
そこで、チームの中で、
どの犬ともケンカをしなかった
一頭のメス犬を先頭に走らせてみた。
するとほかの犬たちは、
一生懸命走り始めた。
植村直己は、
この犬を「アンナ」と名付けた。
◇ ある日、犬の引き綱がもつれて、
それをほどこうとしたときに、
犬たちが一斉に暴れ、
引き綱を付けたまま
遥か彼方へ走り去ってしまった。
犬に去れて移動手段を
失ってしまった植村直己。
『間違いなく、ここで死ぬ』
それは絶望の瞬間だった。
しかし、しばらくすると
何かが植村直己めがけて
走ってくるのが見えた。
それは『アンナ』だった。
アンナがほかの逃げた犬を
引き連れて戻ってきた。
植村直己の絶対にやり遂げるんだ
という思いをいつも一番近くで
感じていたのであろう。
1万2000キロに及ぶ道のりを
最後まで走り抜いた犬は、
アンナだけであった。
<今日の名言>
始まるのを待ってはいけない。
自分で何かをやるからこそ何かが起こるのだ。
植村直己
*困ったときにはリーダを代えてみよう。
今日一日の人生を大切に!
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