◇ 韓国とイランとの間に
最初にいざこざがあったのは
2016年頃になる。
その顛末は次のようなものであった。
2010年に西側がイランへの制裁として
ドル決済の禁止を言い渡した際、
韓国はウォン決済に切り替えた。
韓国はイランから輸入する際に
ウォンで決済し、
それをイラン中央銀行の名義で
韓国のウリィ銀行に積み立てておいて、
次に韓国企業がイランに輸出する際の
代金精算のために使ってきた。
とはいえ、
イランからの輸入額のほうが
多かったこともあり、
2016年ごろにはこの口座に
3兆~4兆ウォンが
(約3,000~4,000億円)
積み立てられていると推計されている。
◇ これだけの預金が積み上がれば、
イランとしては当然ながら、
より利率の高い口座に回したいと
思うはずだ。
実際、イラン側は一部を
定期預金にしてほしいと
韓国側に何度も要求したが、
銀行側はこれを拒否してきた。
当時の韓国での定期預金金利は
3%を超えていたが、
イランに支払う年金利は
0.1%に過ぎない。
2012年にようやく利子を上げたが
それでも年利1.6%であった。
加えて韓国は、
アメリカすらも求めていない
さまざまな制裁を、
イランに対して行ってきた
ということで、イランから恨まれていた。
◇ 2015年、当時のアメリカの
オバマ大統領を中心に、
イラン核合意が締結された。
これにより、イランへの経済制裁が
解除されることになる。
そこでイランは韓国の口座から
預金を引き出して本国に移そうとした。
これまで屈辱的な扱いを
受けてきただけに、
一刻も早く韓国から預金を
引き上げたいと思った。
しかし、それで慌てたのが
韓国側だ。
ウリィ銀行は業績不振が深刻な
海運、造船、建設、製鉄分野への貸出が
12%を超えていて、
巨額の不良債権を抱える可能性が
高まっていたからだ。
そこで韓国政府は韓国ウォン口座の維持
のための協議をイラン側に呼びかけたが、
イランからの返答はなかった。
韓国政府と銀行業界の代表団は
イランの中央銀行へ飛び、
泣きついてお願いした。
◇ 当時のニュースでは
韓国国内のイラン口座を
継続活用することが決まったと
報じていた。
しかし2016年、トランプ政権が誕生、
アメリカはイラン核合意を破棄し、
再びイランに制裁をかけ、
同盟国にも同様の制裁措置を要求した。
これをいいことに、韓国はイランへ
再びきつい仕打ちをし始めた。
つづく
今日一日の人生を大切に!
コメントを残す