◇ 「お役所仕事」と言えば、
政府や地方公共団体の
「非効率な仕事やり方」を象徴する言葉。
どちらかと言うと、
悪い意味の比喩として使われている。
だが、近い将来、
それが大きく変わるかもしれない。
◇ 東京23区の1つ渋谷区は、
そうした「お役所仕事」のあり方を
根本から変える取り組みを進めている。
職員一人一人にタブレットを配布して
地方公共団体としては珍しいフリーデスク、
フリーアドレスを実現しているという。
◇ 澤田伸副区長は広告会社出身。
民間では当たり前の考え方を
区政に取り入れている。
渋谷区の庁舎は、
区有地に70年の定期借地権を設定、
大手デベロッパーにマンションを
建ててもらい、
その権利金で建築費をまかなった
「財政負担ゼロ」建設でも知られる。
そして最も感心したのは、
渋谷区では区庁舎には誰も来ない、
来庁者ゼロを目指していること。
誰も来ないことがハッピーだという考え方。
区庁舎に区民が足を運ばなくても
区のサービスを享受できる
仕組みを目指すという意味だ。
◇ 例えば、冒頭の「お役所仕事」の
最たる例としては、
公的書類の交付がある。
書類の交付をしてもらいに行ったら、
「判子が押してない」 だの、
「記入箇所が誤っている」だの、
民間にいる側からすると、
「この場でなんとかならないのか」
という不満を感じながら申請書を
突き返された経験をした人もいるだろう。
もちろん行政の側にとっては
必要な手続きだということも理解するが、
そういう経験が、結局 「お役所仕事」
という言葉を生んでいる側面が
あることは否定できない。
◇ 区民が望んでいる業務課題を
可視化するために、
渋谷区ではBI(Business Intelligence)
ツールを活用している。
BIツールをスマートフォンに
インストールして、
職員がいつでも業務課題を見つけて
対処方法を考えていく仕組みを
整えているという。
文書の電子化はその一環だ。
すでに公文書の決裁は100%電子化しており、
今後も公文書の電子化を進めていくという。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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