◇ 3年前から地域のゴミ拾いを続けるA氏。
ここ数週間、公園の花壇に空き缶が
何度も捨てられていることに気づいた。
その花壇は、普段から手入れがされず、
雑草が伸び放題であった。
人間の心理からすると、
汚れている所には、
ついついゴミを捨ててしまう。
◇ かつてニューヨーク市長を務めた、
ルドルフ・ジュリアーニ氏は、
犯罪を減らすために、
アメリカの犯罪学者
ジョージ・ケリングが考案した
「割れ窓理論」 (Broken Windows Theory)
を応用した。
小さな不正を徹底的に正すことで、
多くの不正を防ぐことができるという
環境犯罪学の理論だ。
◇ 割れた窓を放置していると、
誰も注意を払っていないというサインとなり、
そういった場所には、
自然とホームレスや犯罪者が集まり、
環境が荒れ、ほかの窓もすべて壊されてしまう。
◇ ニューヨーク地下鉄の落書きを消し、
無賃乗車などの小さな不正を
ひとつひとつ取り締まることで、
市長就任前から比べると、
地下鉄内の凶悪な犯罪件数が減少した。
ルドルフ・ジュリアーニ氏は、
そういった人間の心理を
逆手に取ったものだった。
◇ ディズニーランドや
ディズニーシーでは、
パーク内のささいな傷をおろそかにせず、
ペンキの塗り直しや破損箇所を
見つけたら、すぐに修繕を行うことで、
従業員だけでなく、来客のマナーも
向上させることに成功している。
◇ 前述のA氏もまた、
公園の花壇の雑草を取り除き、
空き缶を根気よく拾い続けた。
その結果、
花壇に空き缶が捨てられることが、
なくなったそうだ。
職場でもプライベートでも、
「割れ窓理論」は
想像以上の偉力を発揮する。
ぜひ、試してほしい。
今日一日の人生を大切に!
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