◇ 著名建築家の故黒川紀章氏の
実兄である黒川雅之氏は、
トンビが尊敬する思想家でもある。
彼はいつも刺激的な視点を与えてくれる。
◇「マイナス」が本質であって、
「プラス」ではない。
「不安」が本質だから「希望」がある。
「不満足」が本質だから「満足」がある。
「孤独」が本質だから「人情」がある。
「死」が本質だから「生」がある。
◇ このような「本質」があるから、
人間は「価値」を創ることに尽力している、と
トンビは理解した。
このように負の感情は非常に大事だが、
それが強すぎるといろいろな弊害も発生する。
例えば、
「不安だけど不安すぎない」とか、
「悩むけど悩み過ぎない」とか、
「落ち込むけど落ち込みすぎない」
といったように、
負の感情をうまく利用しなければならない。
◇ また人間は自分勝手な行動により
「残骸」をつくる。
CO2排出量による温暖化、
廃プラスチックによる環境汚染、
差別による弾圧という人権問題も同じだ。
このような「マイナス」の存在は
世の中に絶えない。
でも、この「マイナス」に対して、
人間は立ち向かって
「プラス」をつくろうとする。
この人間のクリエイティブな
可能性の灯火をともし続けることが大切だ。
◇ 黒川雅之氏が主張する思想の中には
逆説、パラドックスという概念がある。
たとえば、スティーブ・ジョブスは
「Stay hungry, stay foolish」と言った。
「腹をすかしなさい、
そうすれば食欲が出てくる」
「ものを知らないと、
勉強がしたくなるだろう」
ということが言いたかったのだろう。
だから人は
「Stay hungry, stay foolish」
でなければならないと。
◇ 二律背反とは生命の
エンジンのようなものだ。
そしてそのエンジンを起動するのが
逆説、すなわちパラドックスなのだ。
人間は自然の一部。
そしてその命は、
自然に依存した関係で成立している。
一方で人間は、
自然に依存したままではなく、
自然を超えたい、
跳躍して自分の創造性を
獲得したいとも願っている。
創作や創造は、
自然からの自立なのである。
自然に流される状態では、
自己実現は叶わない。
生命のエンジンを起動させるためには、
パラドックスという概念が不可欠だ。
◇ 生と死は 二律背反。
その二律背反である状態が
生命のエンジンとなり、
生命が燃えているのだと、彼は考える。
ジョブスの言葉のように、
本当に食べさせたい人には、
食べさせなきゃいい。
そうすれば 飢えて食べるようになる。
組織ではなく個人の力を重視すれば
組織が強化できる。
一人一人が10人の人間を教育すれば、
社会は良くなる。
伝統を守りたければ
革新的に行動すればいい。
そうすると、
どんどん新しい伝統が根付いていく。
利益を上げたければ、
売れそうなものではなく
美しいものをつくる。
これらは全て逆説だ。
あなたの考え方の視点の中に、
この逆説のパラドックスを
取り入れてみてはどうだろうか。
今日一日の人生を大切に!
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