◇ では、そうならないためには
どうしたらいいだろうか。
イライラをぶつけそうな瞬間の
対応方法について産業医から話を聞いた。
自分がイライラしていると気づいたら、
その瞬間に取りあえず、
胸いっぱいに息を吸い込んでみよう。
これだけで少し落ち着くことができるそうだ。
胸いっぱいに吸い込んだら、
ほんの少しの間、息を止めてみること。
ヨガではこれを 「クンバク 」と呼んでいる。
それからゆっくり長く吐く。
この深呼吸を1回やるだけで、
イライラに飲み込まれたまま
キレることを回避できる。
◇ 次に、「無理矢理スマイル」
という方法を紹介する。
これは、イラッとしたことに
気づいた瞬間に、
口角を思い切り上げて
無理矢理笑顔になる方法だ。
つまり、作り笑い。
東京大学教授で脳研究者の
池谷裕二教授によると、
楽しくないときでも
口角を上げて笑顔をつくると、
ドーパミン神経に変化が起こるそうだ。
これは、快感、心地よさ、幸せ、
楽しさなどをつかさどる神経で、
これによって脳は
「自分は今幸せなんだ」と勘違いして、
本当に幸せな気分になる。
つまり、自分の脳を騙すという、
高度な技を使うのである。
我々は、普通「楽しいから笑顔になる」と
考えているが、
「笑顔になるから楽しくなる」
ということも大いにあるということ。
日頃から心掛けることが大事であり、
たとえば、洗眼、歯磨き、ひげ剃り、
メークなどで鏡を見るときは、
必ず無理矢理スマイルをするといい。
このほかにも、パソコンに向かいながら、
テレビを見ながら、お風呂に入りながらなど、
いろいろな機会にやってみよう。
意識してやっているうちに
だんだん笑顔が身に付いてくる。
日頃から心掛けていれば、
笑顔が増えて幸せを感じる時間が多くなる。
当然、ストレス解消にもつながり、
われを忘れてキレてしまうこともなくなる。
◇次に、「言い聞かせ」を紹介する。
これは、キレかかったときに、
「落ち着いて、落ち着いて」とか
「大丈夫、大丈夫」などと
自分の心に言い聞かせる方法になる。
このほかにも、
「大したことない、大したことない」
「冷静に、冷静に」
「何とかなる、何とかなる」
「笑って、笑って」などの言葉でもいい。
人によって効果的な言葉は違うと思われるが、
自分がしっくりくる言葉を決めておくといい。
◇ トンビの知人で、
ある会社でクレーム処理を受ける
仕事をしている人がいるが、
彼は理不尽なクレームを聞いたとき、
「飯の種、飯の種」
「ありがたや、ありがたや」などと、
言い聞かせているそうだ。
◇ さて、ここまでキレそうな
ギリギリの瞬間を
何とか乗り越えるための方法を
3つ紹介した。
もちろん、イライラや怒りの感情は、
いつもいつも抑え込んでいればいいと
いうものではない。
抑え込んでいるだけだと、
溜まりに溜まったものが
いつか大爆発するということになる。
したがって、これらの負の感情も
適切に表現したり、
吐き出したりすることも大切になる。
ただし、自分が溜め込んだストレスを
他者にぶつけてしまうのは
避けなければならない。
そのために、この3つの方法を
役立てていただければ幸いだ。 完
今日一日の人生を大切に!
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