年金と雇用は基本的にセットで考える ①  vol.540

 

◇ 年金と雇用というのは基本的に

    セットで考えなくてはならない。

 

雇用は打ち切られたが、

年金はもらえない「無年金期間」

生じさせてはならない。

 

このため、今までは公的年金改正に伴う

受給開始年齢の引き上げが実行されれば、

 

雇用の上限年齢(定年や継続雇用年齢)も

引き上げられてきた。

 

直近では、65歳までの雇用が確保されたが、

公的年金の受給開始年齢が

完全に65歳まで引き上げられる時期と

タイミングをそろえる政策的意図があった。

 

◇人によってはこれを

「年金受給開始年齢」「雇用の年齢」との

   追いかけっこと評したり、

 

いつまでも続くいたちごっこと

揶揄(やゆ)したりしている。

 

ところが今、

日本ではこの追いかけっこに

終止符が打たれようとしている。

 

これは未来の年金問題と

私たちの働き方を考えるとき、

重要なポイントになる。

 

◇ 日本は人口減少に伴い、

    労働力が不足していくと

    懸念されている。

 

生産年齢人口つまり、

15歳以上65歳未満の人口は

1995年には 8726万人 もいたが、

 

2015年の国勢調査では

7728万人 となっている。

 

減少の理由の多くは、

団塊世代の引退と若い世代の人口減少である。

 

日本はこれから、毎年50万人以上の

「働ける人口」が減っていく

社会になると予測されている。

 

これを国力が縮小するように

悲観的にとらえている人が多いのだが、

実は悪い話ばかりではない。

 

◇ 働く意欲のある女性や65歳以上の

     高齢者には大きなチャンスが

     訪れるともいえるからだ。

 

実は労働力人口で見ると、

女性や65歳以降の高齢者の

働き手が増えていることもあり、

それほど大きく減少していない。

 

正社員の数を反映する

厚生年金被保険者数は

むしろ増え続けている。

 

女性の就業率はこの20年右肩上がりで

上昇を続けているし、

 

65歳以上の高齢者の就業率は

先進国では群を抜いて

高い数値を示している。

 

◇ 特に意味があるのは、

    正社員としての雇用のチャンス拡大だ。

 

これまでは低賃金かつ厚生年金の適用も

なかった非正規雇用の人たちが

正社員として働くチャンスが増え始めている。

 

正社員の有効求人倍率がすでに

1.0倍を超えているのがその証拠だ。

 

働き方改革も追い風になる。

 

正社員でありながら短時間勤務や

週3~4日勤務のような多様な働き方が

認められるようになり、

 

複数の企業に所属する「複業」

広がっていくことだろう。

 

◇ 実は65歳以降の雇用に

    積極的な企業も増えている。

 

厚生労働省の17年

「高年齢者の雇用状況」によると、

 

すでに22.6%の企業が

70歳以上でも働けるそうだ。

 

驚くかもしれないが、

中小企業を中心に企業サイドの意識は

大きく変わり始めているのである。  

                         つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

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