中高年のひきこもりで明るみになった「8050問題」② vol.536

 

◇ 今回の調査は

    国が “社会の声” に遅ればせながらも

    真摯に向き合ったものであり、

 

国が、

40歳以上のひきこもりが

 こんなにいます!みなさん、

 61万人もいるのですよ!」

 

と認めたことで、

 

厚労省が設置している全国の

「ひきこもり地域支援センター」

などを主体に、

 

40歳以上の人への支援が

広がることが期待されるのである。

 

◇ それだけではない。

 

「誰にも相談しない」人が

   4割もいたという事実は、

 

80代の親が50代のひきこもりの

子どもを支える

 

いわゆる 8050問題」

の深刻さを顕在化させた。

 

8050問題」は、非正規の増加と

     密接に結びついた社会問題である。

 

低賃金で不安定な非正規が増え、

親と同居する中高年の

パラサイトシングルが増加。

パラサイトシングル
 学卒後も親と同居して、
 生活を親に依存している未婚者のこと

 

ご近所さんからは

 

「あそこの息子は結婚もしないで、

    いつまでも家にいて・・・・」

 

などと揶揄され、

 

どうにかしたいと思いつつも、

世間のまなざしから

逃れるように「ひきこもる」

 

◇ その一方で、親も年をとり、

    介護が必要となる。

 

子は親に経済面で依存し、

親は子に自分の世話をしてもらうことに

依存するという、

 

社会的経済的リソースが欠如した

親子の相互依存が、

 

ますます貧困リスクを高め、

孤立を深め、

社会から切り離されてしまうのである。

 

◇ 中高年のひきこもりは、

    今まで、高齢者の介護などを支援する

    ケアマネさんの報告に委ねられていた。

 

言い換えれば、介護問題の専門家と

高齢者を支援する立場の人たちに、

 

8050問題」という、

極めて社会的リスクの高い問題が

押し付けられていたのだ。

 

◇「子ども」は50代が半数で、

     未婚の男性がほとんど。

 

7割はひきこもりの定義に当たり、

3割は親を介護している。

 

4割は親を虐待(疑いを含む)

していることもわかった。

 

報告されたケースの中では、

認知症の70代の両親と

同居する50代の未婚女性が

ひきこもっていたり、

 

要介護の80代の母親と

同居する50代の未婚男性がひきこもり、

経済的困窮に陥っていたりしていた。

 

「母親は、おそらく本人が若い時に、

   本人が社会復帰できるよう色々な手を

    尽くしてきたのだろうが、

   現在となっては諦めているのか

    本人の意向に逆らうことがない」

 

「『あの子がいないと

     通院も買い物もできないし、

     助かっているから何も言えない。

    私の育て方が悪かったのよ』といつも話す」

 

親子であるがゆえの苦悩と、

親子であるがゆえの安心感。

 

そして、自分が死を迎えたあとに

残される子どもへの思い・・・。

 

諦めと後悔とそれでも生きていかなきゃ

ならない人生に翻弄されている親子が、

私たちのすぐ近くにもいるかもしれない、

 

という現実が存在していた。

                             つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

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