◇ 長い長い10連休もなんとなく
不完全燃焼で終わり、
レフレッシュできずに
職場の舞い戻ったビジネスマンも
やっとリズムが出てきた
頃ではないだろうか。
◇ さて、どんな職場にも、
「絶対にうつにならないだろう」と
自他ともに認める心身ともに
タフな人がいるものだ。
いつも体力・気力ともに
バッチリの疲れ知らずで、
繁忙期には夜遅くまで
バリバリ仕事をこなし、
自分の意見も堂々と主張して、
ハードな交渉もなんのその。
いわゆる「飲みニケーション」も
ウェルカムで人づきあいも悪くない。
休日はゴルフやレジャーに
朝早くからアクティブに参加する……。
きっと皆さんの職場にも、
こういうタフネスぶりを
発揮している人がいることだろう。
◇ しかしどんなにタフな人でも、
メンタル疾患にかかる可能性は
ゼロではない。
トンビは現在まで様々な企業の人と
関わってきたが、
「自分がまさかうつになるなんて
思いもしなかった」
とショックを受ける人や、
「あの人がメンタルダウンするなんて」
と上司や同僚が驚くパターンに
何度も遭遇してきた。
今回は、トンビが経験した
「タフネス社員が
メンタルを病むシチュエーション」
を3つのパターンに分けて紹介しつつ、
予防のための提言をお伝えする。
【パターン1】
終わりの見えない過重労働状態に陥ったとき
◇ タフネス社員は、体力気力に
満ちあふれているので、
繁忙期の長時間残業なんて
ヘッチャラという人が少なくない。
面談をしても、
「元気なんで大丈夫です」と
さっさと退席していく人も結構いる。
しかしいくらタフであっても、
終わりの見えない長時間労働が
発生した場合は要注意だ。
例えばタフネス社員は
ビッグなプロジェクトの
リーダーに抜てきされたり、
社の主要な部署の管理職を
任されたりすることが多々ある。
しかし往々にしてそういった部署では、
プレッシャーや緊張を伴う仕事を
任されたり仕事の量が多かったりし、
スタッフ全員が慢性的な疲労を抱えがちだ。
◇ 順調に仕事が進んでいるときはいいが、
何か問題が発生したり
臨時の案件が突っ込まれたりすると、
途端に業務量がキャパオーバーとなり、
ストレスに弱いスタッフが
病んでしまって戦線離脱する……
ということも珍しくない。
しかも昨今の職場では、
人員に欠員が出たとしても
すぐに補充してもらえることが少なく、
「働き方改革で若手社員には
長時間残業させられない」と、
管理職やリーダーが欠員分の仕事を
引き取ってこなしていくという事態に
陥りがちだ。
その結果、リーダーたちは
毎晩終電で深夜帰宅となり、
睡眠不足が常態化。
さらに土日にも出勤したり、
自宅にいても仕事を続けたり……と
24時間が仕事で埋め尽くされることになる。
リラックスしたり、
家族や友人と気分転換したりする
時間がなくなり、
心身に疲労が蓄積していく。
こういう状態が半年以上継続すると、
いくら元来タフであっても
メンタルか体に異常が出てくる人が多い。
「いつまでこういう状態が続くのか……」と、
出口の見えない長いトンネルを
全力疾走しているようで、
精も根も尽き果てしまう。
◇ あるプロジェクトチームの
リーダーを務めていた
男性社員の言葉は忘れられない。
「仕事に忙殺される日があまりにも続くため、
家族との関係もおかしくなって……。
自分は一体、何のために必死で働いているのか
分からなくなりました」
トンビも30代にプロジェクトリーダーを
務めた経験があり、彼の言い分はよくわかる。
気づいてみると、同期の社員の
数倍の仕事を任されているということもある。
◇ 会社側は社員個人のタフさに甘えて、
一人に負荷をかけ続けては
絶対にいけない。
特に裁量労働制の管理職系社員の
労働時間が過重になっていないか
常にチェックする。
そしてトラブルが発生したり
欠員が出たりして仕事量が
急激に増えている状況を見つけたら、
担当者の疲労が慢性化しないうちに
ヘルプ人員の派遣を行う、
業務配分や納期を再検討するなど、
早め早めの対応を行っていただきたいと思う。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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