◇このように、テクノロジー覇権をめぐる
中国の強さの背景には、
中国の巨大な経済力の影響が
あることは間違いない。
しかし、それにしても、
なぜ中国のテクノロジーが
これほど急速に発展したのだろうか?
もちろん、テクノロジーの発展には
巨額の投資が必要だ。
それには経済力がものをいう。
しかし、それだけが理由なのだろうか?
◇日本の主要メディアでは、
中国が知的財産権の侵害を繰り返して
日米欧の先端的な技術を盗んだことが、
中国のテクノロジーが急速に発展できた
理由であるとする報道が目立つ。
たしかに、中国の知的財産権の侵害は
目に余るものがある。
だが、これだけでは先端的なテクノロジーが
発展している説明にはならない。
◇「ファーウェイ」の5Gや、
いま開発が急ピッチで進められている6G、
また量子暗号の人工衛星や量子コンピュータ、
そしてAIなどの中国の先端的なテクノロジーは、
すでに欧米の水準を中国は凌駕している。
◇また、半導体製造技術でもそうだ。
2015年までは「クワルコム」のような
世界最先端の工場では、
製造可能な半導体の限界は
20ナノメートル台だった。
2016年からは10ナノ、
そして2019年に稼動する最先端工場では7ナノ、
2020年には5ナノが稼動すると見られている。
そのような状況で、昨年までは
中国の先端的な工場で製造できる限界は
22ナノであったが、
2019年には、なんと5ナノの製造が
「AMEC」というメーカーで
すでに始まっているようだ。
あまりに急速な発展だ。
◇このようなテクノロジーは、
米欧日の水準を越えている。
既存のテクノロジーをスパイするだけでは、
これを越えるテクノロジーの開発は不可能である。
先端的なテクノロジーが
急速に開発できた理由は、
他に必ずあるはずだ。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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