◇ 稲盛流を代表する経営手法が、
部門別採算管理を行う「アメーバ経営」だ。
企業にも当然損益管理が導入されているが、
中身は全く違う。
財務三表の一つである損益計算書に工夫を加え、
「時間当り採算表」を作成。
部門ごとの売上げ最大、
経費を最小にすれば、
その差である付加価値も最大になる。
そして、自分の属するアメーバが、
一時間当り どれだけの付加価値を
生み出しているのかということが
簡単にわかる仕組みになっている。
◇ 個々がまさに主体的に
経営に参画することで、
一つのユニットが自己増殖する
アメーバのように成長発展していく。
アメーバ経営の導入の主眼は何かというと
「人を育てること」にあるのは疑いない。
◇ 稲盛氏は人生の一生のテーマを
「魂を磨くこと」とし、
人生を3期に分けて、
20歳までを
「会社に出る準備期間」
20歳から60歳までを
「社会のために働く期間」
60歳からの20年間を
「死ぬための準備期間」
と位置づけている。
◇ 1997年、稲盛氏の65歳での得度は、
死の準備の一環ということになるが、
寺での修行を続けずに、
程なく実業の世界に舞い戻った。
禅修業における稲盛氏の師は、
臨済宗妙心寺派の西片老師(2006年死去)
得度に当たって西片老師は、
稲盛氏にこう語りかけたという。
稲盛さんは在家から
お寺に来て勉強をされた。
だから、実社会に戻って社会のために
役立つようなことをされるのが本義。
世のため人のために尽くすことが
あなたの役目です。
「師の言葉は背中を強く押した」と、
稲盛氏は後に語っている。
◇ 禅の根源的な教えに
「即今、当処、自己を確かめる」
というものがある。
今自分が置かれている状況の中で、
自分しかできない最大限のことをする。
運命は定められているが、
日々徳を積んでいくことで、
因果応報の原則が働いて、
運命を乗り越えることができる。
何よりも大切なのは、
「一生懸命やっていこうとする思い」
まさにこの熱い思いが大切だと
禅は教えている。
今日一日の人生を大切に!
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