目にみえない日本の鎖国   vol.314

 

◇ 事件は、6月17日、

 全九州高校体育大会のバスケットボール

 男子の準決勝で起こった。

 

○○学園の1年の留学生(15)が、

審判のファウルホイッスルを不服とし、

審判の顔面を殴打。しかも「グー」。

 

平手ではなくグーで顔面を殴り、

審判員は出血しその場に倒れてしまった。

 

試合終了後、留学生は監督に抱きつき

「ごめんなさい。ごめんなさい」と号泣。

 

見ているのが切ないくらい、

2メートル4センチの大きな体を屈め

小さな子供のようにワンワン泣いていた。

 

◇ 実はこの留学生は、今年2月にアフリカの

 コンゴ民主共和国から来日した青年で、

 バスケットはほぼ未経験。

 

身体能力の高さを評価され

○○学園を勝たせるため」の

留学生の1人として招かれた。

 

ところが○○学園には彼の母国語である

フランス語を話せる人はひとりもおらず、

春頃からホームシック気味に。

 

「家に帰りたい」と学校側に訴えていたところで、

今回の“事件”が起きてしまった。

 

◇ その後同校は、この留学生を

 6月末までに帰国させると発表。

 

そこで明かされたのが、

日本社会の負の側面であった。

 

試合直後からSNS上では

留学生への猛烈なバッシングが始まり、

中にはヘイト紛いのものや、

暴力行使を示唆するものまで横行。

 

翌日からは、電話やメールが

学校に深夜まで相次いだそうだ。

 

校長は「不測の事態もあり得るので、

本人をできるだけ早く帰国させたい」とコメント。

 

今回の事件は「コミュニケーション不足」が

最大の原因とし、今後は留学生の母国語が話せる

非常勤教職員を雇うことなどを検討中だそうだ。

 

…なぜ、いつもこうなのか。

 

確かに殴ってしまったことはいけない。

 

どんな理由があれ、許されることではない。

 

でも、日本語もわからない、

生活文化も異なる15歳の青年を、

なんらサポートすることなく

来日させること自体が問題だと思う。

 

繰り返すが、殴ったことは悪い。

 

明らかに悪い。

 

審判は口を10針以上縫う怪我をしたが、

「バスケを嫌いにならないで欲しい」

との願いから告訴などはしないと言ってくれたのが、

せめてもの救いだ。

 

つまり、今回の事件は

「今回の殴打事件」だけの問題ではない。

 

言葉も生活も文化も違う異国の地で

親と離れて暮らす青年へのサポート体制の

欠如が問題の根っこにある。

 

◇ 実は、

“日本には目に見えない鎖国がある”

 

日本で働く外国人の方は、こう嘆いている。

 

日本人は旅行者の「外国人」には優しいが、

共に生活する「外国人」に

なぜ、こんなにも冷たいのか?

 

それは地政学的にも長い間島国として

孤立していたせいで外国人に対する

苦手意識がその一因でもある。

 

◇ そんななか先月、

 政府はこれまで外国人就労を禁止していた

「単純労働」を認める方針を示した。

 

「建設、農業、宿泊、介護、造船」など

慢性的な人手不足に陥っている5分野。

 

この新制度により、政府は2025年度までに

50万人超の外国人を受け入れるとしている。

 

しかしながら、受け入れた「後」の

サポート体制がほとんど議論されていない。

 

労働力を確保するために

体格のいい外国人留学生を来日させ、

 

日本人がやりたがらない「3K」職場に、

外国人労働者を受け入れる。

 

こんな勝手な国を、

どこの誰が愛してくれるだろうか?

 

共に生活する人として、日本社会に馴染み、

困らないように。言葉の壁があっても

人としての壁が存在しないように。

 

ドイツでは、ドイツに移り住む外国人に

600時間超のドイツ語研修や、

ドイツ社会のルールや法律に関する

オリエンテーションを義務付けている。

 

これから国内の労働力低下して、

外国人の手を借りなければ立ち行かない

社会になるのは間違いない。

 

今回のような大きな社会問題になる前に、

日本でも法整備等、

外国人が困らない環境作りが必要だ。

 

今日一日の人生を大切に!

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