ローマ帝国から学ぶ民主制と独裁制のバランス vol.290

 

◇ 古代ヨーロッパにおける覇者、

    それがローマ帝国です。

 

ローマは最後の王タルクィ二ウスを

追放すると、

 

それまで王の代わりとなる官職を

新設することになりました。

 

それが行政長官「執政官(コンスル)」です。

 

まず、その定員は2名、1名ではなく2名。

 

たいてい、どこの国でも行政長官はひとりです。

 

そこをあえて「2名」にしたことは、

彼らがいかに独裁者の出現を

恐れていたかが窺えます。 

 

任期はわずか1年です。

 

そのものがどれほど優秀であろうとも

任期の延長も再任も許されず、

 

一度でも執政官を経験した者は、

一生にわたって二度とコンスルに

なることはできません。

 

新設のコンスルがふたたび「王」となって

自分たちの権利を侵さないよう、

徹底的に独裁を排する配慮がなされたのです。

 

◇ このように、ローマの政治システムが非常に

  「民主政」を重視したシステムだ

    ということがわかります。

 

しかし、民主政は万能ではありません。

 

実は、民主政は平時にはうまく機能しますが、

非常時になるとたちまち機能停止

してしまうという致命的欠点があります。

 

逆に、独裁政は非常時にうまく機能しますが、

平時にはその弊害の方が大きい。

 

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)もそのことに

気づいているかもしれません。

 

つまり、民主政と独裁政は

 

「けっして両立し得ない対立したシステム」

 

ではなく、

 

「2つでひとつ」

 

お互いのディメリットを

うまく補い合って初めて

政治はうまく機能するのです。

 

しかし人間は獲得した地位や権力を

なかなか手放そうとはしません。

 

習近平、プーチン、そして安倍首相

法律やルールを変えてでも放そうとしない。

 

そうなるといろんなところに

歪みが出てくるのです。

 

それは歴史が教えてくれます。

 

何事にもバランスが取れた体制が

すなわちシステムが安定し、

長寿の秘訣ということです。

 

 

今日一日の人生を大切に!

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