◇ 古代ヨーロッパにおける覇者、
それがローマ帝国です。
ローマは最後の王タルクィ二ウスを
追放すると、
それまで王の代わりとなる官職を
新設することになりました。
それが行政長官「執政官(コンスル)」です。
まず、その定員は2名、1名ではなく2名。
たいてい、どこの国でも行政長官はひとりです。
そこをあえて「2名」にしたことは、
彼らがいかに独裁者の出現を
恐れていたかが窺えます。
任期はわずか1年です。
そのものがどれほど優秀であろうとも
任期の延長も再任も許されず、
一度でも執政官を経験した者は、
一生にわたって二度とコンスルに
なることはできません。
新設のコンスルがふたたび「王」となって
自分たちの権利を侵さないよう、
徹底的に独裁を排する配慮がなされたのです。
◇ このように、ローマの政治システムが非常に
「民主政」を重視したシステムだ
ということがわかります。
しかし、民主政は万能ではありません。
実は、民主政は平時にはうまく機能しますが、
非常時になるとたちまち機能停止
してしまうという致命的欠点があります。
逆に、独裁政は非常時にうまく機能しますが、
平時にはその弊害の方が大きい。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)もそのことに
気づいているかもしれません。
つまり、民主政と独裁政は
「けっして両立し得ない対立したシステム」
ではなく、
「2つでひとつ」
お互いのディメリットを
うまく補い合って初めて
政治はうまく機能するのです。
しかし人間は獲得した地位や権力を
なかなか手放そうとはしません。
習近平、プーチン、そして安倍首相
法律やルールを変えてでも放そうとしない。
そうなるといろんなところに
歪みが出てくるのです。
それは歴史が教えてくれます。
何事にもバランスが取れた体制が
すなわちシステムが安定し、
長寿の秘訣ということです。
今日一日の人生を大切に!
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