◇ 1985年、脳梗塞で倒れた角栄は、
1993年に死去するまでの間、
ごく限られた家族と、
治療にかかわる医師以外、
だれも会うことはできなかった。
そんななか、
目白の私邸に招かれた人物がいた。
それが 江沢民・元国家主席 である。
◇ 1992年4月7日、
当時中国共産党中央委員会の
総書記として日本を訪問した江沢民は、
田中角栄の私邸に訪問した。
面会は15分。
江総書記たっての希望から
実現したサプライズだった。
江沢民は角栄の手を握ると
こう切り出した。
「中国では井戸を掘ってくれた人を
大切にします。
1972年の日中国交正常化は、
田中先生のご尽力によるものでした。
私は自然科学の専門家ですが、
人生にも規律というものがあります。
中国人は辛抱強く病気を治しますが、
田中先生も体を治し、条件が整えば
訪中してください。
待っております。」
◇ あの日中国交正常化から20年。
角栄は被告となり、病魔とも戦っていた。
だが、あのときの仕事は間違っていなかった、
と思った瞬間であったに違いない。
今日一日の人生を大切に!
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