なぜ日本は地上に電柱が林立するのか ② vol.384

 

◇ 日本の場合、電力会社に

    構造的に不合理な面が多々あり、

    それが電気料金を引き上げている。

 

たとえば、 人件費

福島原発の事故以来、

 

東京電力の体質に疑問の目が

向けられるようになったが、

 

中でも社長、役員の報酬の高さに

仰天した人も多いはずだ。

 

当時の東電の社長の報酬は、

なんと 7,200万円  だった。

 

電力会社というのは国によって守られた企業だ。

 

一応、民間企業ではあるが、

電力インフラの整備などは

独占的な事業活動が認められており、

 

しかも近年まで、

電力事業は自由化されていなかった。

 

つまりは事実上の官制企業だといえる。

 

それなのに役員報酬が7,200万円と

いうのは言語道断なことだと思う。

 

なぜ 7,200万円 もの役員報酬となったのか? 

 

その原因は、電気料金の決め方にある。

 

◇ 電力料金は、電力会社が勝手に

    決められるものではない。

 

電力会社が政府に申請し、

政府が認めた料金が、

電気料金ということになる。

 

しかし、この電気料金は、事実上、

電力会社の言い値になっている。

 

そして、その算定基準はというと

「総括原価方式」という方法が採られている。

 

これは、電力会社が、税金、燃料費、

人件費、設備取得費用、

株主への配当金なども算出する。

 

これが、電力の原価ということになり、

電力料金の算定基準となる。

 

電力会社は、どれだけ設備投資をしても、

人件費をかけても、

 

必ずそれを支払えるだけの

料金設定がされている。

 

もちろん、政府もある程度は監視している。

 

しかし、電力会社のような

巨大組織の経費について、

いちいち細かい査定は不可能だ。

 

だから、ほぼ電力会社の要望通りの額が、

電気料金として認められることになる。

 

つまり、電力会社というのは、

かかった費用が必ずペイできるような

仕組みになっており、

 

どれだけ費用をかけてもいいという

特権を持っているということになる。

 

だからこそ、役員報酬が7,000万円にも上る、

というようなことが平然と行われていたのである。

 

◇ また電力会社の料金基準で、

    よく批判されるのが、

 

「株主の配当金まで原価に入れている」

 

ということだ。

 

これは普通の企業の会計とは逆。

 

普通の民間企業の場合、

売上から原価を差し引いた残りが、

利益ということになる。

 

そして、その利益の中から、

株主への配当などが行なわれる。

 

しかし、電力会社の場合は、

原価の中にあらかじめ配当金まで含められている。

 

だから、電力会社の配当というのは、

企業の経営努力による成果ではなく、

あらかじめ決められた費用なのだ。

 

◇ 電力会社の会計には、

    もう一つ大きな問題がある。

 

それは、「莫大な広告費」

 

福島第一原発の事故が起きる前の

2011年3月度の決算によれば、

 

電力会社10社の広告費の合計額は

866億円であった。

 

これは日本最大の民間企業トヨタの約2倍になる。

 

中でも、東電の広告費は莫大だった。

 

東電の2011年3月度の広告費は、

269億円 だった。

 

テレビ、ラジオのCMが70億円、

新聞、雑誌などの広告掲載費が46億円、

PR施設運営費が43億円だった。

 

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の広告費が

年間116億円というのは相当なものだ。

 

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌にとっては、

東電は「超VIP」ということになる。

 

だからメディアは、

東電の批判などはそうそうできるものではない。

 

それが、東電という組織が、

ここまで腐敗した、

最大の要因だといえるだろう。

 

しかも電力会社は、

財界のボスとして君臨してきた。

 

たとえば東京電力の社長は、

代々、財界の役職を歴任してきており、

 

福島第一原発事故当時も、

清水正孝社長(当時)は、

日本経団連の副会長の座にいた。

 

東電に限らず、各電力会社は、

各地の財界で要職を務めてきた。

 

電力会社は、その業務的に

多額の設備の建設を行なうために、

その地域に大きなお金を落とす。

 

だから各地域の経済界で、

ボス的な立場にたってきたのだ。

 

◇ だが、これは冷静に考えれば

     非常におかしな話だ。

 

電力会社というのは、国から守られ、

多額の収益を稼いでいる企業であり

半ば官営なのだ。

 

電力料金というのは、国民にとっては、

税金と同じようなものだった。

 

いわば税金によって食わせて

もらってきた企業なのだ。

 

それが、民間企業の集まりである

財界にボスとして君臨することは、

国民に対し、不謹慎極まりないことだといえる。

 

日本経済全体がこのように既得権益化されており、

その弊害を象徴するのが、電力会社といえる。

 

この電力会社のやり方に、

国民は怒りを露わにして

改善を迫らなければ、

あの電信柱はいつまでたってもなくならない。

 

一倉定氏がいうように

 

「電信柱が高いのは、

        電力会社の社長のせい」なのである。

                                                       

 

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