◇ いま中国の若年層たちは
いったいなぜ、これほどまでに
ナショナリズムを信奉し、
愛国主義的なのだろうか。
中国の愛国主義の源泉は
いったいどこにあるのだろうか。
天安門事件のあと、
中国共産党はいかにして生き延び、
国民の支持を回復したのか。
中国に関しては、
こうしたさまざまな疑念が
浮かび上がる。
こういった疑念は、
トンビだけではなかろう。
中国の若者たちは、
いま何を記憶し、
何を忘れようとしているのか。
国家によって意図的に作り上げられた
「歴史という物語」として
単純に考えるわけにはいない。
そこには深く淀んだ、
決して拭い去ることができない、
大きな河が流れている。
◇ 最近日本国内でよく見かける
中国人とはいったい何者なのか?
その鍵を握るのが、
中国における
「歴史」と「歴史的記憶」
である。
これを理解せずして、
中国の政治、外交、
領土問題、靖国等を
語ることはできない。
◇ 最初に、
「歴史」と「歴史的記憶」
の違いを、
我々はしつかりと認識して
おかなければならない。
今回シリーズでお伝えする
「歴史」とは、
一歩引いた批判的な視点から
過去を再構築したものである。
一方「歴史的記憶」とは、
集合的な記憶、歴史の記述、
そして過去のイメージを作りあげる
人々の心の内の場所のことである。
今回のテーマは
「歴史的記憶」であって
「歴史」ではない。
歴史上何が実際に起きたのか
についての内容ではなく、
中国人が「歴史」というものを
どう理解してきたか、
そして政治的支配層が
「歴史」をどう作ってきたかを
探るのである。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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