◇ こういう緊張関係の勃発によって、
習近平氏が国賓としての訪日計画も
立ち消えになる。
もともと日本国民の87%が、
「中国に対してよい感情を持っていない」
という世論調査結果が出ている。
これは、世界一の「反中感情」を
示しているもので、
尖閣諸島を巡る日中関係の悪化を
浮き彫りにしている。
これが、いよいよ現実化しかねない状況に
立ち至った以上、
習氏の国賓としての訪日は困難だ。
◇ 中国の南シナ海の島嶼占領の手口は、
先ず、漁民を上陸させる。
次いで、漁民保護の名目で
海警船が支援する手順だ。
海警船は武装化している。
漁民上陸=占領終了という
速攻戦で臨む方針に変わったのであろう。
こうして手早く占領して既成事実化し、
後は中国海軍が防衛するというやり方だ。
日本は、すでにこの動きを察知しており、
米国新政権と連絡を密にしている。
尖閣諸島は、日米安保条約の
適用対象であることを、
米国の大統領、国務長官、
国防長官の三者が承認するという
重層構造をつくり上げている。
◇ 仮に近々、中国が尖閣諸島を
攻略に動けばどうなるか。
2022年の北京冬季五輪は、
日本・米国を初め西側諸国の
不参加となだろう。
これだけでない。
米国は、インド太平洋戦略の
重要拠点を防衛すべく、
NATO(北大西洋条約機構)を
共同防衛に引き込む手立てを打つだろう。
別に、日米防衛力に
不安があるからという理由でない。
インド太平洋戦略の「クワッド4ヶ国」と
NATOを結びつける絶好の機会を
利用するのだ。
中国は、尖閣諸島を攻撃して
同時に世界を敵に回すという、
世にも愚かな「自滅の道」に
嵌まり込むのだ。
◇ 中国は、しきりと台湾に
攻勢を掛けている。
そのたびに、米国から台湾への
武器売却が増えている。
中国が、それを承知で
台湾を脅迫しているのは、
「囮」(おとり)戦術であろう。
台湾攻略に見せかけて、
尖閣諸島攻略を狙っているとも言える。
◇ 日米軍部は、すでに島嶼防衛に
特化した戦術を磨いている。
自衛隊も米海兵隊と
同じ部隊編成を立ち上げ、
合同訓練している。
米軍部隊は島嶼別に展開し、
大部隊の編成から小部隊編成に変わった。
大部隊の移動は、
中国軍に発見されやすいためだ。
こういう地道な戦術で、
中国軍の奇襲作戦に備えている。
◇ サイパンの米空軍基地は、
地下に格納庫を建設している。
中国軍のロケット攻撃に備えている。
このほか、中国のロケット攻撃が届かない
インド洋のディエゴガルシア島に
空軍基地を持つ。
元英軍基地だったもの。
2003年、ステルス型の
B-2爆撃機専用シェルターとして改修された。
これにより、B-2爆撃機の
南シナ海への飛行時間が短縮される。
当然、尖閣諸島防衛に役立つ。
仮にB-2が米ミズーリ州基地から
発進した場合、
最速でも南シナ海に到達するには
12時間かかる。
しかし、同島からだと
飛行時間はわずか5時間という。
B-2爆撃機が3機、
インド洋基地に駐留する。
中国にとっては、不気味な存在だ。
ステルス型戦略爆撃機だけに、
レーダーの捕捉は困難である。
ある日、突然の攻撃があっても
不思議ないだけに、
改めて尖閣諸島や南シナ海の侵略を
後悔するであろう。
つづく
今日一日の人生を大切に!
コメントを残す