◇ 昨今、「郵便局の保険の不適正営業」が、
日本中の耳目を集めている。
郵便局社員が顧客の不利益となるような
保険を販売していた問題だ。
ちなみに、ゆうちょ銀行の通帳は緑色、
かんぽ生命の保険証書は青色であるが、
「通帳が緑から青に変わる」などといって、
貯金と保険を混同させるような話法で
保険を契約させていた事例も見られた。
「郵便局というだけで、
高齢者の場合、だましやすい」とは、
現役郵便局社員の弁である。
なぜここまでして契約を
取る必要があったのか。
その背景には、
過剰な営業目標の存在があった。
◇ NHKの「クローズアップ現代+」が
行ったアンケートには、
30代の郵便局社員が
「高齢者に強引に販売せざるを得ない
環境が郵便局にはあった」
と証言している。
このコメントから、
この問題が組織的なものであった
ということがわかる。
◇ 営業目標を達成できない社員には、
「恫喝研修」「懲罰研修」と
呼ばれる研修も行われていたという。
実績の悪い社員が支社に集められて、
「お前らここに来て恥ずかしくないのか!」
などと、
1時間にも渡ってなじられ続ける、
まさに「パワハラ研修」が行われていた。
◇ 郵便局では保険の営業だけでなく、
年賀状やカタログなどの販売に対しても
厳しい営業目標(ノルマ)が課せられていた。
営業目標(ノルマ)達成のため、
社員自身やその身内が商品を購入する、
いわゆる「自爆営業」があったことも
指摘されている。
「社員に課せられた過剰なノルマの
矛先が顧客に向かい、
高齢者を中心に、
必要のない保険を契約させられる」
このような歪んだ実態が浮き彫りになった。
◇ 営業社員の不正行為は、
郵便局に限った話ではない。
「地銀の優等生」と言われたスルガ銀行で、
2018年5月、
1兆円にものぼる不正融資が発覚した。
スルガ銀行はこれを機に、
一気に経営不振へと陥った。
◇ また、同じ金融業界において、
情報漏洩など、相次ぐ不祥事で
苦境に陥っている会社がある。
業界内から「ノルマ証券」と
揶揄されている「野村證券」だ。
この2社と郵便局に共通しているのが、
過剰な営業目標、
いわゆる「ノルマ」の問題である。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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