北朝鮮は4月に大統領制に移行する!? ② vol.492

 

◇まず、大統領制議院内閣制

    違いについて考えるてみることにする。

 

行政機関のリーダーである執政長官を

どのように選ぶのかを定めた執政制度は、

 

大別すると

 

「大統領制(Presidential system)」

                       

「議院内閣制(Parliamentary system)」がある。

 

この違いは選挙制度にある。

 

大統領制 は 

国民の直接選挙によって執政長官を選び

 

議院内閣制 は、

議会で執政長官を選ぶ。

 

国民が直接選挙に参加するのは、

 

大統領制 では、大統領選挙と議会選挙

議院内閣制 では、議会選挙だけである。

 

米国は大統領制を取り、

日本と英国は議院内閣制を採用している。

 

◇ 世界には大統領と内閣首相が並存する

    制度を採用している場合が数多くある。

 

しかし、どちらかが実質的には

執政長官ではないことが多い。

 

ドイツやイタリア、インドなどは

大統領が国家元首として対外代表権を持つ

儀礼的な役割を担う象徴的な存在であるため、

議院内閣制 とみなすことができる。

 

他方、韓国やアルゼンチン、

ペルーなどのように、

 

内閣首相は存在しても

大統領によって任命・解任され、

 

大統領のスタッフの一員のような場合には

大統領制とみなすことができる。

 

もっとも、国民による直接選挙で

選ばれる大統領と、

 

議会で選ばれる内閣首相が

実際に執政長官として権力を

分担している場合もある。

 

これを 半大統領制 という。

 

フランスがその典型となる。

 

ルーマニアやロシアも

半大統領制といわれる。

 

半大統領制 は、

大統領制や議院内閣制とは

異なる執政制度とされる。

 

◇ さて、選挙制度を基準に

    大統領制と議院内閣制を考えると、

 

北朝鮮の執政制度は1948年から

現在に至るまで議院内閣制を採用してきた。

 

選挙は議会選挙だけである。

 

これは中央である

最高人民会議だけではなく、

地方の人民会議も同様だ。

 

日本のように、中央は 議院内閣制

地方は大統領制を採用する混合型ではない。

 

◇ 北朝鮮では1948年の建国から

    現在に至るまで、

    立法機関は最高人民会議である。

 

執政長官は最高人民会議で選ばれ、

最高人民会議に責任を負ってきたので、

北朝鮮は議院内閣制である。

 

ただし、北朝鮮の権力関係を理解するのに、

選挙制度を基準に大統領制と議院内閣制を

分類してもあまり意味がない。

 

この分類は、行政機関と立法機関の

権力関係を理解するためのものであって、

民主主義国家だからこそ意味がある。

 

支配政党に権力が集中する

北朝鮮のような非民主主義国家では意味がない。

                                            つづく

 

今日一日の人生を大切に!

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