◇ 韓国は、文在寅政権(ムン・ジェイン)
の出現で大きな曲がり角に立っている。
「86世代」と言われる民族主義グループが、
大統領府の実権を握っているからだ。
「86世代」とは、1960年代生まれ、
1980年代に学生時代を過ごし、
強烈な学生闘争に参加人たちのことを指す。
政治意識が先鋭で、北朝鮮の
「主体(チュチェ)思想」
に心酔している。
政治思想は、
「反日米・親中朝」路線が鮮明。
文政権が生まれた2017年5月以来、
日韓関係はすべてご破算になったのは、
この「86世代」による「反日路線」の
結果ということになる。
◇ となると、
文政権が続く2022年5月までは、
日韓外交の冷却化が続くものと
見るしかない。
問題は、この間に韓国経済が
世界経済の激変について行けず、
通貨危機に遭遇した場合、
どこへSOSを打つのか、だ。
日本が、韓国の問題について
心配する必要はもちろんない。
ただ、過去2回の通貨危機では
日本へ資金の緊急支援を求めてきた。
だが、現在の日韓関係は冷却状態だ。
その日本へ「お願いします」とは
いまさら言えないだろう。
◇ このように、
韓国政府はアマチュア集団と言える。
韓国外交部(外務省)には過去、
日韓交渉に関わった
「ジャパン・スクール」と言われる人々が、
文政権によってすべて追放された。
日本との交渉を「積弊(積年の弊害)」
扱いしている結果だ。
◇文大統領は、口を開けば
「日韓関係は未来志向」と言っている。
しかし現実は「過去志向」で、
未来の問題は何ひとつ語っていない。
本腰を入れた「日韓首脳会談」は
一度も開かれていない。
両国は、近くて、
最も遠い国の関係となっている。
◇文政権は、日本に対してだけ
「独善主義」を貫いているのではない。
韓国国内でも、同じような姿勢を取っている。
大統領府も与党「共に民主党」も、
自らの反対派には容赦ない攻撃を加えている。
これが、「革新派」の看板を掲げる
政党の言動だろうか。
そういう疑問を持たせるほどだ。
◇文大統領の腹心とされる
金慶洙(キム・ギョンス)
慶尚南道知事は、
文大統領が当選した2017年の
大統領選挙に関する世論操作事件で
つい最近、2年の実刑判決を受けた。
金被告が国会議員だった2016年から、
不正プログラムを使った
インターネット上の世論工作を
元「共に民主党」党員に指示し、
17年5月の大統領選で文氏に
有利になる操作を行って、
その罪が問われた。
この事件は、発覚後の警察捜査が
ずさんだった点も問題になった。
大統領側の圧力か、
警察の忖度かは不明だが、
この事件をうやむやに葬り去る
動きが鮮明だった。
この事件でもわかるように、
韓国司法が、権力に対して
いかに迎合的であるか。
それを示す典型的な例だった。
◇ さらに驚くべきことは、
この事件の担当裁判長へ「弾劾」という
個人攻撃を始めている点だ。
日本であれば、
「判決を真摯に受け止め、国民に謝罪する」
というコメントが出る。
韓国には、そういう気配が全くないどころか、
韓国与党は次のような挑戦的な談話を発表した。
前大法院長の逮捕に対す報復裁判であり
非常に遺憾に思う。
我が党は
『司法介入勢力・積弊清算対策委員会』
を構成するだろう。
前大法院長の司法介入にかかわっている
判事の人的清算が行われなければ
司法改革は難しい。
法的手続きである(裁判官)弾劾を
含むさまざまな方策を考えたい。
出典:『朝鮮日報』1月31日付
◇ 前大法院長(最高裁長官)が、
朴政権当時に旧徴用工問題の
判決遅延に関与した、という文政権の
強引な主張により逮捕された。
前記の裁判長は、この前大法院長の秘書役を
やったという言いがかりを付け、
無罪にさせようという魂胆だ。
これは暴力団並の難癖だ。
◇ 韓国は、道徳主義を標榜している。
慰安婦問題で、徹底的に日本を批判する上で、
道徳主義は最高の「攻撃武器」になっている。
韓国の道徳主義は、
自らが教養を高め修練を積んで、
他人に寛容になるという意味ではない。
相手を攻撃する手段に使っているのだ。
◇ 前記の裁判長は、朴槿惠・前大統領の
裁判で有罪判決を下した。
この時、「共に民主党」は
素晴らしい判決であると裁判長を激賞した。
ところが、自分が不利になると
「弾劾だ」と騒ぎ立てる。
韓国の道徳主義とは、
この程度のものになる。
この道徳主義は、身内に優しく
外部に冷淡という特性を持っていることを
我々は忘れてはならない。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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