◇ 黒田日銀総裁は、いま問題となっている
厚生労働省の毎月勤労の調査方法改定に
深く関わっていたことが明らかになった。
正直、あぜんというか、
いや、ガッカリという表現の方が、
適切だろう。
◇ 2015年11月の経済財政諮問会議の
議事録から明らかになった。
当時、厚生労働省が過去データの
実勢に合わせて修正をおこなったところ、
かなりの下方修正を強いられ、
民主党政権下の2011年の賃金指数を
2014年で下回るという
まさかの事態に陥ったとされている。
そのため2015年11月の諮問会議では
これが大問題となり、
当初は麻生太郎財務大臣が調査サンプルの
入れ替えを強く求めたとされている。
◇ そしてその後、
「直近の名目賃金のマイナスは
統計上のサンプル要因が影響。
実勢は緩やかに上昇していると考える」と、
この件に関して口火を切ったのが、
日銀の黒田総裁であったことが
判明してしまった。
◇ もともと黒田氏は
生粋の財務省畑の役人のため、
日銀のプロパーで構成される統計局とは
一線を隔す存在であることは間違いない。
だが、すでにこの時は異次元の緩和から
2年半が経過し、
これといった経済指標上の成果が
いつまでたっても出ていない状況下だったので、
こうした改ざんに近いデータの入れ替えを
黒田総裁自身が積極的に口にしてしまったものと
思われる。
◇ これにより、日銀総裁は当時から相当、
安倍政権に忖度する存在であったことも、
明らかになってきた。
安倍氏に近い御用経済学者の伊藤元重や、
当時の安倍内閣の腰巾着である
高市早苗総務相や甘利昭経済再生相が、
こうしたデータ入れ替えに加担するのは
ある意味で非常にわかりやすい構図だ。
しかし、日銀の黒田総裁までもが
こうした進言に先陣を切っていたというのは、
かなりあきれる状況だと思う。
◇ 今後どのような展開になるのかが
注目されるが、
少なくとも黒田総裁が、
国家データ偽装により無理やり創出した
インチキ・アベノミクス(別名:ウソノミクス)に,
猛烈に加担して片棒を担いでいた
共同主犯であることだけは明確だ。
これはもはや、言い訳のしようがない状況に
陥っているようにトンビには見える。
◇ 中国国家統計局が発表する
各種経済データついても、
どこまで本当か判らないというのが
世界的な市場の見方だ。
実際GDPなども、地方政府から出てくるデータが
かなり改ざんされていることを、
この国家統計局の責任者が
公然と認めるというかなり唖然とする
事態も過去に起こった。
しかし他の国のことを
嘲笑している場合ではない。
日本はもしかすると、
それよりも酷いものになるかもしれない。
今後発表されるあらゆる経済統計も
まったく信用する気にならなくなってしまったのは、
かなり残念なことだ。
◇ 米国では、トランプが
FRBパウエルに物申したことで、
政権と中央銀行の独立性の問題が
強く問われてきた。
安倍政権はどうかというと、
少なくとも黒田日銀総裁は一体化しており、
日銀の独立性などなんら担保されていない
ことがバレバレの状況だ。
この国はここまで失墜した信頼を
一体どのようにして回復させていくのだろうか?
◇ 自国のファンダメンタルズを示す
データ問題が大きく揺らいでいる以上、
この問題に目を背けるわけにはいかないが、
国内でこのように呆れる事態に
陥ることになるとは夢にも思わなかった。
正直なところ、かなりガッカリだ。
政治家も信用できない、
データも信用できないこの国に、
果たして明るい未来があるのだろうかと、
不安を払拭できない今日この頃である。
今日一日の人生を大切に!
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