菊池寛の『形』という短編小説 vol.423

 

◇ 菊池寛の『形』という小説を

     読んだことがある。

 

 ものの数分で読める。

 

ページ数にすると文庫本で

4ページほどの短編小説ではあるが、

 

不思議な読後感の残る小説である。

 <菊池寛 形>

 

この本にはほかに秀逸な短編が多数あり、

ぜひ購入して読んでもらいたいが、

 

読むのも面倒な方向けに、

あらすじを紹介する。

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◇ 中村新兵衛は、槍の達人で、

   身につけている陣羽織と兜を見ただけで

 敵が恐れおののくほどであった。

 

 新兵衛は、初陣に出る若武者から

 その陣羽織と兜を貸してもらえないかと

 頼まれる。

 

 新兵衛はその頼みを

 こころよく受け入れる。

 

 翌日の戦いで、新兵衛から借りた

 陣羽織と兜を身につけた若武者は、

 戦さで大きな手柄を立てる。

 

 しかし、新兵衛自身は

 いつもと違う「形」をしていたため、

 敵も勝手が違っていた。

 

敵は、相手がいつもと違う服装をしているため

中村新兵衛とは思わず、怖じ気づくことなく、

十二分の力を発揮したのである。

 

新兵衛はいつも以上に

奮闘したにもかかわらず、

槍で突かれ、命を落としてしまう。

 ——————–      ——————–

 といった内容の小説だ。

 

◇ この小説は『形』という

    タイトルである。

 

   「形」は単なる外観だが

    【形は大事】

 

 あるいはむしろ

 【形こそが重要】

 

 という意味がタイトルに含まれている。

 

ある人が、一生懸命努力し、

高い能力をつけ、結果を出したとしても、

 

その結果を目に見える【形】に

変えておかないと、

 

他の人にとっては、

その人がどれだけの力を持ち、

どれだけの成果を残して人なのか、

 

初見で認識することはできないのである。

 

◇ この小説の主人公である

 中村新兵衛にとっては

 「猩々緋の陣羽織」

 (しょうじょうひのじんばおり)

 という衣装の「形」が彼の形であり、

 

そしてそれが敵に対する威圧感の源となり、

 

そこから生まれる雰囲気、イメージ、

空気の力やオーラを借りて、

 

戦いの場において大いに勇を

奮うことができたのである。

 

不幸なことに、

当人がその事実に気づいたのは、

絶命する直前だったわけだ。

 

◇この話を

  「遠い戦国の世の話」

 

 もしくは

   「小説の中の話」

 

 と捉えるのではなく、

 

 「今に生きる私たち」

 

 に引き当てて考えてみてはどうだろうか。

 

◇中村新兵衛は

 「猩々緋の陣羽織」

 の力によって周囲を圧し、

 

 その力を借りて相手を倒してきた。

 

 今に生きる私たちはもちろん、

 他者を威圧する必要もなく、

 倒す必要もないが、

 

 それでも

 「ビジネス界」

 という厳しい戦場で日々戦っている。

 

そんな戦場(=営業や交渉の現場)においても

 

 【形】  もしくは   【ブランド】 

 

を持たなければ、

 

せっかく磨いてきた能力、

築いてきた実績を、

他者から認識してもらうことができない。

 

本来の自分の能力や実績を見せられず、

成果を残せないとすれば、

それはあまりにもったいない。

 

 だからこそ

【形】は意識して作るべきであり、

 

そして作った

【形】や【ブランド】 を見せるべき、

そんな解釈もできるのではなかろうか。

 

我々は得てして中身が大事と考えがちだが、

意外と外見も大事なのである。

 

ちなみにトンビの「猩々緋の陣羽織」は、

まだまだ未完成だ。

 

死ぬまでには「形」あるものにしたい。

 

今日一日の人生を大切に!

 

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