◇ 上司がいない。
先輩もそうした感じではない。
指示はないから、自分でやれることを
見つけないといけない。
チームの議論について行けず
涙を流すときもあったという。
だが今はメンバーの誰が
どんな仕事に今向かっているのか、
困っていることはないかをもれなく把握できる。
やりがいのありそうな仕事なら
別のチームの業務でも手を挙げて加わる。
◇ ホラクラシーの弱点と いわれるのが
「評価制度」
通常の企業では上下関係と評価がセットになる。
上司の評価なら、
多少不満で理不尽でも納得せざるを得ない。
だが、その前提となる上司がいなければ、
評価の公平性はより要求されるようになる。
アトラエが行き着いた答えは「360度評価」と
独自のアルゴリズム(計算手法)の活用だ。
社員は上司ではなく、
自分の働きを理解してくれていると思う
メンバー5人を評価者として自由に選ぶ。
指標となるのは、
チームや会社にどう貢献したのか。
その評価に応じて給与も決まる。
自分で人選しているのだから
不満も出にくいのだという。
5人の評価も重みが異なる。
周囲から評価が高い人からの評価は重く、
逆に評価が低い人からの評価は軽くする
アルゴリズムを組み入れて公平性を保つ工夫をする。
◇「Ask not what your company can do for you,
ask what you can do for your company.」
(会社があなたのために何をしてくれるかではなく、
あなたが会社に何をできるかを考えよう)
オフィスにはこんな標語が掲げられている。
きれいごとのように見えるが、
これがホラクラシー型組織を
維持するための本質をついた言葉だ。
「性善説」にきちんと応えてくれる
社員を維持し、
そうでない人を振り落とす
社員の「品質管理」ともいえる。
◇ 新卒であれ、中途であれ、
入社面接は5回に及ぶ。
入り口の段階からミスマッチを防げる効果もあり、
ここ数年間、社員の退職者はほとんどいない。
◇ 全員が当事者として
意思決定に関わる民主的な組織の方が、
変化に合わせやすいという、
時代の必然性なのだろう。
ホラクラシーはそんな傾向に歩調を
合わせるようにじわりと広がっている。
それが最も効率的だったからだ。
ホラクラシーは企業の生存の形として
提示された未来のひとつの会社の形かもしれない。
完
今日一日の人生を大切に!
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