「時代錯誤のおじさん」は日本を死滅へと向かわせる ② vol.287

 

◇ 福岡氏のインタビューは、つぎの一文が続く。

 

同時に、今回のエリート組の瓦解の遠因に、

私を含めたこの世代特有の弱さの存在を感じます。

 

60年代の政治の季節に遅れ、

 

70年代には学校のサヨク的な先生の授業に白けつつ、

 

80年代に入るとポストモダン的自由を謳歌し、

 

時代の先端を走っているつもりでした。

 

ところが、結局、戦後民主主義の精神を

次の世代にうまく継承できず、

 

子どもたちに伝える成熟した文化も、

つくり得なかったのです。

 

詰まるところ、

このまま進めば

日本は滅びるしかないということです。

 

◇ 日本が問題を克服していく道筋もあるだろが、

     いまの日本人に実行できるかどうかは、

     まだまだ疑問だ。

 

悪いのは官僚機構ばかりではない。

 

大学やアカデミズムや

シンクタンクの世界でも、

 

学問の自由や研究助成の公募などの

仕組みは形骸化しており、

 

新しい血が加わる余地は極めて限られている。

 

これでは活力など生まれようもなく、

そこにあるのは内輪ボメと自己満足と自己過信…。

 

しかし道がないわけではない。

 

例えば大学の活性化。

 

◇ 元衆議院議員の岸本周平氏は

     プリンストン大学大学院の教員

      として2年間を過ごした。

 

そのときの経験は『中年英語組』(集英社新書)

として出版されているが、その中の一節に、

 

プリンストン大学の大学院が入学者を

「1校1人」に絞っていることが紹介されている。

 

例外として、ハーバード大学など

トップレベルの大学からの複数入学は

認められているものの、

 

原則として「1校1人」

 

それも「最優秀」でないと受付けないという。

 

そうなると学生側も頭を使う。

 

有名校で1番になるのは至難の業であるから、

 

わざわざ1番になりやすいレベルの大学を選び、

そこからプリンストンの大学院に入ってくるという。

 

むろん、自己研鑽を積んでいるから、

有名校でなくても能力は高い水準にある。

 

かくして、プリンストンの大学院は

「血族交配」の弊害を回避し、

活力を保つ仕掛けになっているそうだ。

 

 

日本のように同じ基準で選び抜かれた

「同質性」にこだわわると、

「血族交配」の弊害が必ず出てくる。

 

それは結婚のみに生かされるものではない。

 

組織においても同じである。

 

◇ 昭和のOSのまま、「血族交配」を繰り返し、

    アップデートを怠った組織は、

 

    その結果として、「時代錯誤のおじさん」

    多数産み落とした。(トンビももちろんそのひとり)

 

そしていま、

 

そのおじさんたちが被害者になっているのだ。

 

 

それは、

新たなOS(平成)に変化したのに

おじさんたちのアプリケーションが

そのままだからだ。

 

そうなんだ?  そうなんだ!

 

昭和に浸った時間が長くなればなるほど、

このアプリのバージョンアップは極めて難しい。

 

そしてアプリが旧式だと、

どうなるかというと、

 

パワハラ、セクハラ、ブラック

 

という意識が欠如してしまい、

 

必然的にアプリのセキュリティが脆弱となり、

 

おじさんたちは悲しいかなウイルスに感染し、

 

それをまわりに撒き散らすことになるのである。

 

これがいま官僚機構を含めて

日本で起こっている現象ではなかろうか!

 

◇ では、どうしたらいいのか。

 

 おじさんたちに救いの道はあるのか。

 

前述のとおり、「時代錯誤のおじさん」

セルフでのバージョンアップは極めて難しい。

 

そこで 「組織の力」が必要になる。

 

「組織の力」を借りて、アプリを強制的に

バージョンアップしてもらうのである。

 

したがって、おじさんたちにとって

もっとも大事なことは、

 

「常にアップデートできる組織に属すること」

 

これしか道はない。

 

そうすれば、「死滅」を免れ、

日本は進化できるかもしれない。

 

これがトンビが考える生き残るための

唯一の道である。

 

*ただし、あの大学や省庁が組織ぐるみの
 場合は打つ手はない。

                                                

 

今日一日の人生を大切に!

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