◇ 財務省はじめ次々と明らかになった
官僚機構の一連の不祥事。
とりわけ「花の82年組」の
福田淳一前事務次官や、
佐川宣寿前国税庁長官らが辞職していく姿は、
皮肉にも最重要ポストに就いたこの世代の
「弱さ」を露呈する形となった。
彼ら「82年組」と同世代の
生物学者・福岡伸一氏の「日本の未来への警鐘」
を語ったインタビューに、トンビは戦慄を覚えた。
◇ 生物学者の「予言」どおり
── 日本は死滅するのか?
昨今の官僚機構の度重なる不祥事を通して、
日本の未来に警鐘を鳴らす内容となっている。
福岡氏は、セクハラ問題で辞職した
福田淳一財務事務次官が東大を卒業した
1982年に京大を卒業している。
それもあって、
福田淳一氏が財務次官に就任したとき、
小学校以来の長い秀才レースの末、
出世競争の「上がり」のポジションに辿り着き、
自分たちの世代も人生の秋を迎えたという
「不思議な感慨」を覚えたと言う。
そして、今年になって前国税庁長官の
佐川宣寿氏を含む財務省の「花の82年組」が
瓦解していく姿を前に、つぎのように語った。
受験秀才が最後まで競うこのシステムには
優秀な人の選抜という良い点の一方、
悪い点がある、と思い至りました。
それは、システムの限定性です。
競争相手は同年齢・同学年だけで、
勉強の範囲も決まっています。
おのずと効率や要領、暗記や
処理能力の高さだけが評価されます。
これはクローンで自分を複製し、
子供をつくっていくアリマキという昆虫や、
タネがなく単一品種の株分けで
増殖するバナナに似ています。
その特徴は、環境が一定ならば、
極めて順調に自分を複製して生育しますが、
環境の変化や感染症で、
一気に死滅してしまうことです。
(インタビュー抜粋)
◇ 日本は右肩上がりだった時代が終わり、
すべてが下降的で
失うものが多い時代を迎えている。
官僚の人事も、役所が自分たちで決めるものから、
政治が恣意的に決める時代になった。
つまり外部環境が激変してしまったのだ。
しかし
「生物には変化に備えたメカニズムが備わっている」
と福岡氏はいう。
アリマキは秋になるとクローン増殖をやめて
オスを生み出し、有性生殖を行うそうだ。
しかし、高等中の高等な生物の集団である
財務省にはそうしたメカニズムが見当たらない。
このままでは環境変化に対応出来ず、
日本は『死滅』しかねない状況だ。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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