◇ 鹿児島の島津氏のなかで、
中興の祖といわれている
島津忠良は、薩摩藩士としての心構えを
47首の和歌にした「日新公いろは歌」を
つくりました。
島津義弘も多大な影響を受け、
薩摩武士の教典となったこの歌は、
現代の私たちにも通じる多くの示唆を
含んでおり、今でも鹿児島県の
多くの人に愛されています。
西郷隆盛も「郷中」という教育機関で、
若い武士たちに、この「日新公いろは歌」を
教えたと言われています。
では、早速ご紹介いたします。
【こ】 心こそ 軍(いくさ)する身の 命なれ
そろえれば 生き そろわねば 死す
*心こそが合戦する者の命である。
心がひとつに揃っていれば生き
のびることができる。
揃ってなければ死ぬことになる。
*ビジネスでは、心が揃ってなくても
死ぬことはありませんが、
軍では即死につながります。
【て】 敵となる 人こそは わが師匠ぞと
思いかえして 身おも嗜(たしな)め
*自分にとって敵となる人こそ、
自分の師匠と思いなおして
我が身を心がけよ
【さ】 酒も水ながれも 酒となるぞかし
だだ情あれ 君が言の葉
*酒を与えても水のように思う者や、
少しの酒で奮い立つ例もある。
要は与え方の問題である。
人の上にたつ者は思いやり深く、
情け深くあれ
【ゆ】 弓を得て失ふことも大将の
こころひとつの 手をばはなれず
*組織の結束力をまとめるのも
失うのも、すべて大将(管理者)の
心ひとつである。
◇ 鹿児島市内を歩いていると、 史跡・名跡の
いたるところに 「日新いろは歌」の歌碑を
発見することができます。
薩摩人の根底には、この歌のスプリットが
今なお息衝いているのです。
時代は変わっても、管理者、リーダの
要諦は変わらないということですね。
*今日一日の人生を大切に!
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