韓国の元徴用工判決における個人の請求権について ① vol.402

 

◇ 第2次大戦中に強制労働をさせられたとして

    韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に

    損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審で、

 

韓国大法院(最高裁)は先月、

同社の上告を退ける判決を言い渡した。

 

4人に請求全額の計4億ウォン(約4千万円)の

支払いを命じたソウル高裁判決が確定した。

 

◇ 日本政府は元徴用工の請求権問題は

     1965年の日韓請求権協定で

     解決済みとの立場で、

 

同社も同様の主張をしたが認められなかった。

 

日本政府は戦後の日韓関係の法的基盤を

揺るがしかねない判断だとして強く反発している。

 

韓国政府は日韓関係に関し

 

「未来志向的に

 発展させていくことを希望する」

 

との立場を発表したが、

 

今後の対応次第では両国の外交関係や

経済交流にも悪影響を及ぼしそうだ。

 

◇ 最高裁は先月の公判で

    個人の請求権は協定では

    消滅していないと判断した。

 

ただ判事13人のうち2人は協定によって

 

「個人の請求権は

  行使できなくなっている」

 

と判決とは異なる見解を示した。

 

韓国での元徴用工による

戦後補償訴訟で、

 

日本企業に賠償を命じた判決が

確定するのは初めて。

 

韓国の元徴用工支援団体によれば、

ほかに14の同様の訴訟で

日本企業計約70社が被告となっている。

 

30日の最高裁の判断によって、

これらの訴訟でも日本企業の敗訴が

相次ぐ可能性が高まりそうだ。

 

さらに元徴用工による類似の訴訟が

新たに起きる可能性もある。

 

◇ 日韓が国交正常化に伴って

     締結した請求権協定は、

 

両国と国民の間の請求権の問題を

「完全かつ最終的に解決された」

と明記している。

 

日本政府と韓国の歴代政権は

個人の請求権についても

同協定にもとづき解決済み

との立場を取ってきた。

 

日本側は、日韓の1965年の

請求権協定を根拠に請求権は

放棄されているという主張のようだが、

 

個人の請求権まで放棄できるのかは

別次元の問題だ。

 

国家間の約束であろうと、

勝手に国民の財産権を制約できるか、
(損害賠償請求権も立派な財産権)

という問題でもある。

                            つづく

 

今日一日の人生を大切に!

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