線香花火の人生物語   vol.80

◇ 夏の風物詩といえば花火です。

 

    その中でも線香花火は

    今でも大変人気があります。

 

    線香花火の名の由来は、

    江戸時代に香炉に線香のように

    立てて遊んだからとされます。

 

◇ その線香花火は、火がついてから

     落ちるまでの間に、

     花火の様子が四回変わることを

     ご存知ですか?

 

    最初は、チロチロと膨らんで

    燃える様が「牡丹」です。

 

    次に、パチパチと勢いよく音が鳴る

   「松葉」に変わります。

 

     だんだん火足が下がるのが「柳」

 

     そして 細い火花が一本また一本と

     消えていくのが「散り菊」

 

     これら四つの変化を経て、

     小さな玉になった火は、ポトンと落ちます。

 

  ◇  この燃え方は、昔から、

      人の一生にも重ねられてきました。

 

     この世に生を亨け、

     すくすく育っていく様が「牡丹」

 

    「松葉」は青春時代から働き盛りの時期。

 

     人間的にも円熟味を増して「柳」になり、

      最後は衰えて火が消えるというわけです。

 

◇  一本の線香花火に使われる火薬の量は、

     わずか0.07グラムほどだそうです。

 

      耳かき二杯程度の火薬を和紙で撚って、

      線香花火は作られます。

 

      その精緻な技術もさることながら、

      そこに人生をもなぞらえるあたりに、

      日本的な感性があるのかもしれません。

 

*今日一日の人生を大切に!

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